マーケティングと一口に言っても、世の中にマーケティング手法は数多く存在します。
今回は数あるマーケティング手法の中でも、様々な企業で使われている「ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)」をご紹介します。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、広告やWEBサイトでレスポンスのあった顧客にアプローチを行うマーケティング手法です。『低コストで、アクション率が高い』ことや『良質な顧客リストの作成』が期待できます。
この記事では、ダイレクトレスポンスマーケティングのメリット・デメリットから、具体的なやり方、成功事例、LINEを使ったDRMなどを解説しています。
また、昨今耳にする『ダイレクトレスポンスマーケティングは古いのか』という疑問についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは?
ダイレクトレスポンスマーケティングは、自社の広告やプロモーション、WEBサイトに対して、実際にレスポンスがあった顧客に対してアプローチし、商品やサービスの購買を促すマーケティング手法です。
新聞広告や雑誌広告、駅看板などユーザーの興味や需要に関係なく発信配信されるPUSH型の広告は一方通行になりがちです。
しかしダイレクトレスポンスマーケティングでは具体的なアクションへの誘導ができ、双方向のやり取りができます。
また、特定の商品やサービスに関心を持ってくれたと分かるターゲット層に向けて、メッセージや情報を発信するので、従来のPUSH型の広告よりも高い効果を生むことが期待できます。
同様の手法で「リストマーケティング」と呼ばれる手法がありますが、リストマーケティングはダイレクトレスポンスマーケティングの一種です。
リストマーケティングに特化して解説している記事もありますので、ぜひ合わせてご覧ください。
ダイレクトレスポンスマーケティングのメリット
具体的に、ダイレクトレスポンスマーケティングのメリットを3つご紹介します。
- 低コストで始められる
- アクション率が比較的高い
- 良質な顧客リストが作成できる
順番に解説していきましょう。
1.低コストで始められる
ダイレクトレスポンスマーケティングは大きな予算が必要なテレビCMや新聞広告などを打つ必要がなく、WEB広告やWEBコンテンツなど自社の規模や予算に応じて展開可能です。
また、すでに広告などで獲得したターゲット層に直接アプローチするため、ターゲット数が絞られており比較的低コストで済みます。
2.アクション率が比較的高い
ダイレクトレスポンスマーケティングは、アクション率が高いのも大きなメリットの一つです。
すでに自社の広告に興味を持ってアクションしてくれた顧客へアプローチするので、マス広告と比べてサービスや商品の購入確率が高く、結果的に顧客獲得単価(CPA)を抑える効果も期待できます。
アプローチの結果を分析し、PDCAを回すことでより高い効果を目指していくことができます。
3.良質な顧客リストが作成できる
自社の広告に対して反応があった見込み顧客を対象とするため、結果的に購入する見込みの高い優良顧客リストを作成できます。
さらに購入してくれた顧客に対して、重ねてアプローチをしていくことで、リピーターとなってくれる可能性もあります。そうなれば、お得意様リストのような、より優良な顧客リストを作成していくことにも繋がります。
ダイレクトレスポンスマーケティングのデメリット
ダイレクトレスポンスマーケティングにはいくつかデメリットもあります。
例えば下記の3つが挙げられます。
- ブランドの認知向上にはつながらない
- 大多数へのアプローチはできない
- リストを事前に獲得する必要がある
具体的に解説していきます。
1.ブランドの認知向上にはつながらない
ダイレクトレスポンスマーケティングは、商品やサービスなど具体的なアクションへの促進を目的としています。認知を目的としない手段のため、ブランディングには不向きな手法です。
認知向上を目的するのであれば、インプレッションを上げる必要があるため、駅看板やポスティングチラシ、新聞広告、テレビCMなどマスマーケティングに強い手法を使うことがおすすめです。
2.大多数へのアプローチはできない
自社の広告やプロモーションに反応してくれたターゲットに対して行うため、ダイレクトレスポンスマーケティングでは元々のターゲット数が限定されています。
そのため大多数へのアプローチは難しいと考えられます。
3.リストを事前に獲得する必要がある
前提として、ダイレクトレスポンスマーケティングでは、リストを自社で保有している必要があります。
当然のことながら、リストが集まるまでは売上も収益も発生しません。
そのため創業して即、ダイレクトレスポンスマーケティングを用いることはできません。ただし、WEB広告やプロモーションなどリストを集める手段を実施すれば、創業間もない会社でもリストの獲得は可能です。
また元々顧客のいる会社の場合は、すでに自社で保有している名簿を使用する事ができるので問題ありません。ただし古い名簿はリストの有効性が下がっているので、リストが有効なのかを整理する必要があります。
ダイレクトレスポンスマーケティングのやり方
では実際にダイレクトレスポンスマーケティングを行うためには、何をすればいいでしょうか。手順は以下の通りとなります。
- リストを集める
- リストの育成
- 商品・サービスの販売
順番に解説します。
1.リストを集める
まずは、顧客リストを集める必要があります。
例えばSNSやWEB広告、ホームページを通じて役立つ情報を提供したりプロモーションを行ったりすることでユーザー登録に誘導すると良いでしょう。リアルであればホワイトペーパーの配布や商品サンプルの配布、サロンやジムであれば無料体験への参加などを促すことも手段の一つです。
また、すでに利用してくれた既存顧客や問い合わせがあった見込み顧客もリストとして活用できます。企業相手であれば、取引先のデータもリスト化する必要があります。
なお顧客情報は流入元が違ってもリストの項目を揃え、同じリスト、システムであれば同じシステムで管理するようにしましょう。顧客情報の保存先が複数に渡ると、管理が煩雑になり、結果的にメンテナンスや活用ができなくなってしまいます。
2.リストの育成
顧客リストに見込み客が集まりだしたら、育成(ナーチャリング)を行います。
「ナーチャリング」とはマーケティング用語で、自社の商品やサービスを知っている見込み客を、商品やサービスの利用する顧客へと引き上げていくことを言います。
顧客の育成のためには、良好な信頼関係を築くことが大切です。
見込み客としてリストに登録したばかりの顧客は、まだ自社や商品・サービスに興味を持ってくれたばかりの状態。この状態の顧客には、定期的に自社や商品・サービスの情報を提供し、顧客にとってどんな価値がある商品・サービスなのか、どのような会社なのかを知ってもらいましょう。
顧客が知りたい情報、役に立つ情報を届ければ、自社への信頼を育てることができます。
顧客育成の手段としては、メルマガやステップメール、LINE公式アカウントなどがよく挙げられます。加えて配信したメールやLINEから興味をもってくれた顧客を誘導できるWebページ・LPを用意しておくことも重要です。
なお、これらはBtoCやBtoB、高額商品を販売する企業に関わらず効果を出せる手法です。
3.商品・サービスの販売
顧客と信頼関係が築けてきたら、商品やサービス購入を促しましょう。
見込み客の最終決断を後押しできるよう購入特典を付けたり、返金保証を付けたりして、お得感や安心感を与えることが重要です。
販売の案内には、例えば下記のような手段を使う事ができます。
- Web広告
- ダイレクトメール(DM)
- 電話やメール
- SNS
- レコメンデーション
もちろん、元々反応のある顧客に対して販売を行うので、リストを獲得してすぐに販売を促すことも可能です。
ただ、それで終わりにせず、継続して情報を届け顧客とコミュニケーションをとること(育成)が大事なのは変わりません。
リストの獲得・育成・販売のPDCAを回していく事で、ダイレクトレスポンスマーケティングの効果は最大化していくでしょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングのポイント
ダイレクトレスポンスマーケティングを成功させるポイントは、主に下記の2つです。
- 良質なリストの作成
- 分析を行い、PDCAを回す
順番に解説していきます。
良質なリストの作成
顧客リストは数が多ければいいわけではありません。将来顧客につながる可能性のあるリストだからこそ価値があるのです。
そのため、良質な見込み客の集客は非常に重要なポイント。ただ単にリストが増加すれば、配信にかかるコストが嵩むだけです。
新規顧客の獲得の際には、確実に自社の商品やサービスに興味がある顧客に届くような施策を考えることが重要になります。
自社の見込み客が最も集まりやすい媒体に、広告を出すのも手段の一つです。いくつかの媒体に広告を打って効果の高い媒体を比較・検証することも有効な手段でしょう。
分析を行い、PDCAを回す
前述している通り、ダイレクトレスポンスマーケティングの成功にはPDCAを回してリストの価値を高めていくことが重要です。
リストに対して継続して情報を届け顧客とコミュニケーションをはかる内に、顧客の購買行動や、メルマガやクーポンなど自社からのアクションに対する反応がデータとして蓄積されていきます。
例えばメール内のリンクのクリック率や、商品購入などのコンバージョン率、メルマガからの問い合わせなど、反応を示してくれる顧客とそうでない顧客へ分類することができるでしょう。
そうした顧客にアクションを行い、反応を分析し、そこで得た効果的な方法を有効活用して実施する、というPDCAを回す事で、より高い効果を生み出す事ができます。
ダイレクトレスポンスマーケティングの成功事例
ここではダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)の成功事例として、Amazonをご紹介します。
Amazonはダイレクトレスポンスマーケティングの本場であるアメリカの企業です。
Amazonを利用した方なら分かると思いますが、Amazonを利用していると自身の購買履歴や検索履歴に基づいて、様々な商品がお勧めされます。
これはダイレクトレスポンスマーケティングの手法の一つで、ユーザーが検索・購入した結果を利用して、おすすめ商品をリコメンドして購入アクションにつなげているのです。
今やECサイトの最大手であるAmazonも利用している効果的な手法なのです。
ダイレクトレスポンスマーケティングは古い?
一部では『ダイレクトレスポンスマーケティングはもう古い』といった声を聞く事があります。
実際のところ古い手法なのでしょうか?
ダイレクトレスポンスマーケティングが古いと言われる理由は、SNSの普及や情報リテラシーの向上が原因ではないかと思われます。
実際、ユーザーは個人情報取得に対して以前より敏感になってきていますし、SNSでバズらせるような拡散型のマーケティング手法が注目されているのも事実です。
ただしそれは従来の顧客とのコミュニケーションを介したマーケティング手法を否定するものではなく、両立するものです。登録型のサービスは未だに多数存在しますし、今後もなくなることはないでしょう。
例えばDMの開封率は以前と比べて下がってきていますが、LINEなどのSNSの利用率は増加しています。顧客へのアプローチの手段をDMからLINEへ変更したとしてもダイレクトレスポンスマーケティングは成立します。
大切なのは、元々の手段に固執せず、現在のニーズに合わせた手段に進化させていく事です。
LINEを使ったダイレクトレスポンスマーケティング
最後に、ダイレクトレスポンスマーケティングを今の時代でも有効に使うために、簡単に登録、運用できるLINE公式アカウントを使った手法をご紹介します。
LINEは日本で最も利用されているメッセージングアプリで、アクティブユーザー数は月間9,600万人(※2023年9月末時点公式より)にのぼります。若年層から中高年まで幅広いユーザーにリーチ出来るので、BtoCサービスであれば、顧客になりうるユーザーが間違いなく含まれているでしょう。
LINE公式アカウントには、ダイレクトレスポンスマーケティングに必要な機能は大体揃っています。
例えば、下記のようなことをLINE上で行えます。
- 顧客リストの作成、管理
- リスト育成のための自動返信、定期配信の自動化
- 顧客リストの分析
- 顧客との1o1コミュニケーション
自社のLINE公式アカウントを作成し、友だち登録を促すことでリストを獲得し、LINEを通して様々なアプローチを実施していく事ができるでしょう。
LINE公式アカウントは誰でも無料で始める事ができます。開設方法や事例を知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
また具体的なLINEの分析機能が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ:ダイレクトレスポンスマーケティングを有効活用しよう
ダイレクトレスポンスマーケティングは、低コストで運用でき、顧客からの高いアクションが期待できる手法です。
自社で保有する顧客リストにアクションを行い、反応を分析し、そこで得た効果的な方法を有効活用して実施する、というPDCAを回す事で顧客を効率的に獲得できます。
今でも十分有効なマーケティング手法といえるので、ぜひ実施してみてください。
LINE公式アカウントは誰でも簡単に開設できるビジネスツールです。顧客とのメッセージのやり取りや、シナリオ配信などを上手く活用し、新しい顧客の獲得やサービスの発信に役立てていきましょう。
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