LINE公式アカウントで友だちを増やすことはできているのに、その後のフォローが続かず、購買や来店につながらないとお悩みではありませんか。
メッセージを手動で送り続ける運用は手間がかかり、対応が後手に回ってしまうことも少なくありません。
こうした課題を解消する手段のひとつが「シナリオ配信」です。
あらかじめ設計したシナリオに沿って自動でメッセージを届けることで、友だち追加後の顧客育成を効率化できます。
この記事では、シナリオ配信の概念とLINE公式アカウント標準のステップ配信との違い、L Message(エルメ)で使える機能の全体像、効果的なシナリオの作り方について解説します。
活用事例や注意点まで紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- シナリオ配信の仕組みと解決できる課題
- シナリオ配信を活用するメリット
- L Messageにおける「ステップ配信」との関係
- LINE公式アカウントの標準ステップ配信との機能比較
- L Messageで使える開始条件・タイミング設定・分岐・リッチメニュー連動の具体的な機能
- 効果的なシナリオの作り方
- 顧客育成・再来店促進・アンケート収集への活用事例
- 導入・運用時に押さえておくべき注意点
シナリオ配信とは?
シナリオ配信とは、友だち追加や特定の行動をきっかけに、あらかじめ用意したメッセージを設定した順番・タイミングで自動配信する仕組みです。
一度設計したシナリオは自動で動き続けるため、友だち追加後のフォローや購買促進のメッセージを、人手をかけずに届け続けられます。
LINE公式アカウントにも標準機能としてステップ配信が搭載されていますが、ステップ数や待ち時間(日単位)、開始条件などに制限があり、できることに限りがあります。
より柔軟な運用を実現するためには、LINE公式アカウントと連携して使える外部サービス「拡張ツール」が有効です。
拡張ツールとは、LINE公式アカウントの標準機能では対応できない細かい条件設定や自動化を補うためのサービスで、複数の種類が提供されています。
拡張ツールのひとつである「L Message(エルメ)」での呼び名は「ステップ配信」です。
「シナリオ配信」という言葉はLステップなど他のツールでも使われており、呼称は異なりますが基本的な役割は共通しています。
LINE公式アカウントのステップ配信との違い
LINE公式アカウント標準のステップ配信と、L Messageのステップ配信の主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | LINE公式アカウント(標準) | L Messageのステップ配信 |
|---|---|---|
| 設定できるステップ数 | 1ルートにつき10個まで、1つのステップ配信につき100個まで | 配信タイミングを追加して、複数通のシナリオを作成可能 |
| 配信間隔 | 待ち時間を1〜30日の範囲で設定(日単位) | 「○日後の○時○分」または「○時間○分後(72時間以内)」で指定 |
| 配信時間の指定 | 配信する時間帯を範囲で設定(3時間以上の範囲を推奨) | 分単位まで指定可能 |
| 開始条件 | 友だち追加・オーディエンス | 友だち追加・自動応答・フォーム回答・リッチメニューのタップ・タグ付け・予約などをきっかけに開始可能 |
| 分岐・絞り込み | 属性(性別・年齢・OS・エリア)とオーディエンスで分岐 | タグによる絞り込み条件で配信対象者をわけてメッセージの出し分けが可能 |
| リッチメニュー連動 | 設定項目なし | メッセージの配信と同時にリッチメニューを表示(切り替え)可能 |
LINE公式アカウントの標準ステップ配信は、友だち追加直後の簡単な自動フォローに対応しています。
一方、長期にわたる顧客育成や、ユーザーの行動・属性に応じた配信の出し分けをしたい場合は、L Messageのステップ配信が効果的です。
L Messageの機能や料金プランについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

LINEのシナリオ配信でできること
拡張ツールを使ったシナリオ配信では、LINE公式アカウントの標準機能だけでは難しい柔軟な設定が可能です。
ここでは代表的な4つの機能を紹介します。
配信の開始条件を柔軟に設定できる
拡張ツールを使うと、シナリオ配信の開始条件をさまざまなトリガーから設定できます。
友だち追加時に限らず、フォームへの回答完了・特定のタグ付与・リッチメニュー(トーク画面の下部に固定表示されるメニュー)のタップ・予約完了など、顧客のアクションに応じてシナリオをスタートさせることが可能です。
LINE公式アカウントの標準機能では「友だち追加」か「オーディエンス」に限られますが、拡張ツールを活用することでより細かい条件設定に対応できます。
L Messageのステップ配信では、「エルメアクション」を使って、ステップ配信の開始条件を設定します。
エルメアクションとは、ボタンのタップやフォームの回答などをきっかけに、タグ付けやステップ配信の開始などを自動で実行する機能です。
資料請求フォームを送信した人だけにシナリオを開始する、特定のリッチメニューをタップした人に案内を送るといった使い方が可能で、顧客の行動に即したシナリオ設計を実現できます。
配信タイミングを自由に設定できる
拡張ツールを使ったシナリオ配信では、各メッセージを「いつ送るか」を細かく設定できます。
指定方法はシナリオ開始直後・特定の日時・開始からの経過時間など、ツールによってさまざまです。
ただし、LINE公式アカウントの標準機能では待ち時間を日単位でしか設定できません。
L Messageのステップ配信では、タイミングを「ステップ開始直後」「○日後の○時○分」「○時間○分後(72時間以内)」の3種類から選べ、分単位での指定に対応しています。
「友だち追加の30分後に初回メッセージを送る」「セミナー当日の1時間前にリマインドを届ける」といった細かいタイミングも設定できます。
タグ付けで配信の分岐条件を設定できる
拡張ツールを活用すると、友だちに付けたタグ(顧客を分類するための目印)をもとに配信するメッセージを分岐させられます。
全員に同じ内容を送るのではなく、購買状況・興味関心・流入経路などに応じてシナリオを振り分けることで、受け取る側にとって関連性の高い情報を届けられるのです。
L Messageのステップ配信では、友だちに付与したタグをもとに配信対象を絞り込む設定ができます。
たとえば「購入済み」タグが付いている人には購入後のフォローシナリオを、「未購入」タグの人には購買促進のシナリオを届けるといった振り分けが可能です。
一人ひとりの状況に合わせたメッセージを届けることで、的外れな内容を送るリスクを減らし、ブロック率の抑制にもつながります。
配信に合わせてリッチメニューを自動変更できる
一部の拡張ツールでは、シナリオの進行に合わせてリッチメニューを自動で切り替える機能を備えています。
メッセージの内容と表示するメニューを連動させることで、ユーザーが取るべき次のアクションをタイミングよく案内できます。
L Messageのステップ配信でもこの機能に対応しています。
たとえばシナリオの序盤では「サービス紹介」のリッチメニューを表示し、一定のステップを経た後は「予約・購入」に誘導するメニューへ変更する、という設定が可能です。
メッセージとリッチメニューを組み合わせることで、予約や購入への導線をより自然に設計できます。
リッチメニューについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

シナリオ配信を活用するメリット
シナリオ配信を活用することで、手動運用では実現しにくかった顧客との継続的な関係づくりが可能になります。
ここでは、主なメリットを3つご紹介します。
顧客の購買意欲を段階的に高められる
友だち追加直後のユーザーは、まだ購買意欲が十分に高まっていないことがほとんどです。
シナリオ配信を活用することで、信頼を築く情報提供から始め、商品・サービスへの関心を高める流れを自動で作ることができます。
たとえば、次のようなシナリオを設計しておけば、担当者が都度対応しなくても顧客育成を続けられます。
- 友だち追加直後:自己紹介・サービス概要を送る
- 3日後:活用事例を紹介する
- 7日後:無料相談や体験への案内を送る
業務効率が向上する
シナリオを一度設計してしまえば、その後の配信は自動で進みます。
友だちが増えても追加の手間はかからないため、スタッフの負担を抑えながら顧客フォローの質を保てます。
本来、人が対応すべき商談や接客に集中できる環境を作りやすくなる点が大きなメリットです。
顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズができる
タグによる絞り込みや開始条件の設定を組み合わせることで、同じ友だちリストの中でも属性や行動履歴に応じたメッセージを届けられます。
全員に同じ内容を一斉配信するよりも、受け取る側に関連性の高い情報が届くため、メッセージへの反応率が高まりやすくなります。
タグ付けを自動化したい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

効果的なシナリオの作成手順
シナリオ配信の効果は、事前設計の質に大きく左右されます。
機能を使いこなすよりも、誰に何を届けるかを丁寧に設計することが成果への近道です。
以下の手順を参考に、シナリオを組み立ててみましょう。
顧客の悩みを明確にする
まず、友だち追加をした顧客がどんな悩みや課題を抱えているかを整理します。
「価格が気になっている」「他社と比較している段階」「使い方がわからない」など、悩みの種類によって届けるべき情報は変わります。
顧客のニーズを整理せずにシナリオを組むと、顧客の関心と噛み合わないメッセージになりかねません。
ターゲットの属性を想定する
シナリオは全員に同じものを届けるのではなく、「誰に向けたシナリオか」を明確にしたうえで設計します。
年齢・職業・購買段階・関心のあるサービスカテゴリなど、ターゲットの属性を具体的に想定することで、メッセージの内容・トーン・配信タイミングを適切に設定できます。
ターゲットに合ったシナリオを設計する
ターゲットの属性と悩みが整理できたら、メッセージの内容と配信順序を設計します。
最初から商品の売り込みを始めるのではなく、まず役立つ情報や共感を得られるコンテンツから届けるのが基本です。
顧客がどのような情報の流れを経れば購買や予約に至りやすいかを逆算して組み立てましょう。
設計した内容は、L Messageでは次の流れで設定します。
- 管理画面の「ステップ配信」から新規作成する
- 1通目の配信タイミングを「ステップ開始直後」にし、2通目以降は「日時で指定」か「経過時間で指定」を選ぶ
- 各タイミングで送るメッセージを設定する
- 友だち追加時やフォーム回答後など、ステップ配信を開始するアクションを設定する
ステップ配信は作成しただけでは配信されないため、最後の開始設定まで忘れずに行いましょう。
ステップ配信の詳しい設定手順は、以下のマニュアルで確認できます。

顧客との信頼関係を築くステップを設ける
購買や来店を促す前に、信頼を積み上げるステップを必ず設けましょう。
役立つ情報・事例紹介・よくある質問への回答など、顧客にとって価値のあるコンテンツを先に届けることで、後続のオファーが受け入れられやすくなります。
信頼構築のステップを飛ばして購買訴求を急ぐと、ブロックや無視につながりやすいため注意が必要です。
押し売り感を抑えた訴求を設計する
LINEは個人のスマートフォンに直接届くため、売り込みの強いメッセージが続くとブロックされやすくなります。
訴求メッセージは「選択肢を提示する」「相談や体験への案内にとどめる」など、読んだ側が自分の意思で次のアクションを選べるような設計を意識しましょう。
シナリオの効果を測定して改善する
配信後は開封率・クリック率・ブロック率・コンバージョン数(商品購入や予約完了など、配信の目的とする行動の件数)などの指標を確認し、反応の薄いステップを見直します。
うまくいっていない箇所を特定し、メッセージの内容・タイミング・順序を調整することで、シナリオの精度を継続的に高めることが可能です。
一度設計したら終わりではなく、データをもとに改善を繰り返すことが成果の積み上げにつながります。
シナリオ配信の活用事例
シナリオ配信はさまざまなビジネスシーンで活用できます。
ここでは代表的な3つの事例を紹介します。
顧客育成(リードナーチャリング)
検討期間の長いサービスを提供している事業者にとって、友だち追加後の顧客育成はとくに重要な課題です。
たとえばBtoB向けのソフトウェア販売やスクール・コンサルティングサービスでは、すぐに購買に至らないケースが多く、継続的な情報提供が欠かせません。
シナリオ配信を使えば「サービス紹介→活用事例の紹介→よくある質問への回答→無料相談の案内」という流れを自動化できます。
担当者が個別にフォローしなくても、顧客の関心が冷めないうちに次の情報を届け続けることができるため、問い合わせや成約につながる可能性が高まります。
離脱防止・再来店の促進
飲食店・美容院・整骨院などの店舗ビジネスでは、一度来店した顧客が次の来店まで期間が空くことが課題になりがちです。
来店のタイミングに合わせてメッセージが自動で届く仕組みを作っておくことで、次の来店を思い出してもらうきっかけを継続的に作れます。
たとえば来店後に「ありがとうございました」メッセージを届け、7日後にケアのヒントを紹介し、30日後に再来店を促すクーポンを送る、というシナリオが有効です。
手動での個別フォローと異なり、来店した顧客全員に同じ品質のフォローを届けられる点も、シナリオ配信を活用するメリットのひとつといえるでしょう。
アンケート・満足度調査
サービス利用後や購入後のタイミングでアンケートを自動配信し、顧客の声を収集する使い方もあります。
たとえば来店翌日にアンケートを送り、回答内容に応じてその後のシナリオを分岐させる設定が可能です。
満足度が高い顧客には友だち紹介を案内し、不満を持つ顧客には丁寧なフォローを届けるといった対応を、自動で行える仕組みが作れます。
シナリオ配信を導入・運用する際の注意点
シナリオ配信は効果的な仕組みですが、運用の仕方によっては逆効果になることもあります。
導入前に以下の点を押さえておきましょう。
- 配信頻度が高すぎるとブロックされやすくなる
- ターゲットに合っていない内容は効果が出ない
- シナリオは一度作って終わりではない
- 配信したメッセージは料金プランの通数にカウントされる
- L Messageのステップ配信は開始設定を忘れると配信されない
メッセージが短期間に集中しすぎると、ユーザーに「しつこい」と感じさせてしまいます。
とくに初期のステップは間隔を空け、まず関係を築くことを優先しましょう。
シナリオの内容が受け取る側の状況や関心とずれていると、開封されても反応につながらないため、誰に向けたシナリオかを明確にしたうえで設計することが大切です。
配信後はデータを確認し、反応の薄いステップを定期的に見直す必要があります。
また、シナリオ配信で送るメッセージも、LINE公式アカウントの料金プランのメッセージ通数にカウントされます。
月の上限を超えると配信されなくなるため、友だち数とシナリオの通数から、必要な通数を見積もっておきましょう。
また、L Messageのフリープランには、L Message側の配信数にも月1,000通の上限があります。
L Messageのステップ配信はエルメアクションで開始トリガーを設定して初めて動作するため、シナリオ作成後に設定漏れがないか確認しておきましょう。
これらの点を踏まえたうえでシナリオを設計・運用することで、ブロック率を抑えながら成果につながる自動化の仕組みを作ることができます。
まとめ
この記事では、シナリオ配信の概要とLINE公式アカウントのステップ配信との違い、L Messageで使えるステップ配信の機能の全体像、活用事例、運用時の注意点について解説しました。
シナリオ配信は、友だち追加後の顧客育成を自動化し、手動運用の負担を減らしながら継続的な顧客接点を維持できる仕組みです。
まずはシンプルなシナリオから始めて、データをもとに改善を重ねることで精度を高めていけます。
- シナリオ配信とは、友だち追加などのトリガーをきっかけにあらかじめ設計したメッセージを自動配信する仕組みで、L Messageでは「ステップ配信」と呼ぶ
- LINE公式アカウントの標準ステップ配信はステップ数(1ルート10個まで)や待ち時間(1〜30日)、開始条件に制限があるが、L Messageのステップ配信ではより柔軟に設定できる
- L Messageのステップ配信では、開始条件の設定・分単位のタイミング指定・タグによる分岐・リッチメニューの自動変更が可能
- 顧客育成・再来店促進・アンケート収集など、さまざまなビジネスシーンで活用できる
- 配信頻度や内容の適切な設計と、配信後のデータ確認・改善が成果につながる
LINE公式アカウントの運用をより本格的に進めたい方は、フリープランから始められるL Message(エルメ)がおすすめです。
流入経路別の友だち管理やセグメント配信(条件で絞り込んだ友だちへの配信)と組み合わせることで、顧客育成の仕組みをさらに強化できます。




