LINE公式アカウントは日本だけではなく、海外でも提供されていることはご存じでしょうか?
LINE公式アカウントの前身であるLINE@の時代は
ベーシック:月額5,400円
プロ:月額21,600円
プロAPI:月額32,400円
上記の料金体系でした。
ステップ配信など、APIを使う方は最上位のプランに入る必要があったため、毎月3万円以上という高コストに悩まされていた人も多かったと思います。
ですが「海外アカウント」なら、APIを利用しても料金は0円。
※VPNを提供するサービスを活用し、アクセスする際にIPアドレスを海外に変更することで作成できました。
この裏技でコスト削減をされる方も多かったのですが、今回のLINE公式アカウント移行に伴い使えなくなってしまいました。
また今現在ではすべての国において基本、有料化されており、一部の国を除くと日本アカウントが一番コスパが良くなっています。
では、「海外アカウントはもう時代遅れなのか?」「何かメリットはあるのか?」
今回はこれらの点について解説していきます。
・海外版のLINE公式アカウントとは
・日本版との機能、料金の違い
・海外版アカウントの作成方法
LINE公式アカウントの海外版について動画で解説!
LINE公式アカウントの海外版について1本の動画にまとめました!
海外版のLINE公式アカウントのメリット・デメリット、それぞれの国のLINE公式アカウントの比較について、具体的に説明しています。
是非チェックしてみてください。
海外版のLINE公式アカウントとは

LINEは日本、アジアを中心に世界中で使われているSNSです。
月間アクティブ数では日本は9,800万人、タイや台湾で約7,700万人以上、日本・タイ・台湾・インドネシアの主要4カ国の月間アクティブユーザー数は2億人以上といわれています。
どの国においてもLINE公式アカウントの基本仕様、機能は同じですが、料金が異なってきます。
料金プラン
日本版
プラン名 | コミュニケーション | ライト | スタンダード |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 200通まで | 5,000通まで | 30,000通まで |
追加費用 | 不可 | 不可 | 〜3円/通 |
旧アカウントには存在しなかったフリープラン(無料)が誕生し、公式アカウント(旧ライン@)を運用するハードルが下がりました。しかし代わりに配信数の上限ができ、フォロワ―が多い方、大量配信する方は配信コストがグッと上がったかたちとなっています。
また2023年6月1日の料金プランの見直しにより、フリープランがコミュニケーションプランへと変更になり、コミュニケーションプラン、ライトプランの無料メッセージ通数の上限が引き下がったことで、
・より売上に直結する配信内容にする
・興味がある人を絞り込んで配信する
といった点が重要になってきます。
インドネシア版
2022年7月時点で、公式アカウントは月間500件の配信メッセージがある無料プランのみ利用できます。
またインドネシアのLINEユーザーは600万人以上と言われ、世界で4番目にLINEが使われている国です。LINE公式アカウントは「Akun Resmi LINE」と呼ばれていますが、まだ認知度は低いようです。
タイ版
プラン名 | ฟรี | เบสิค | โปร |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 無料 | 5,886円 | 8,185円 |
無料メッセージ通数 | 300通まで | 15,000通まで | 35,000通まで |
追加費用 | 不可 | 0.46円/通 | 0.28円/通 |
タイのLINEユーザーは5500万人と言われ、世界で2番目に利用者が多い国です。LINE公式アカウントは「LINE Official Account」と言われ、バンコクに2年間住んでいた筆者の実感では、ここ最近かなり利用も増えていると感じます。(日本よりも普及しているかも)
LINE公式アカウントの料金はこのタイが一番安く、日本アカウントが高いなと感じたらタイ版を検討するのも良いかもしれません。(日本アカウントは2・3番目です。)
台湾版
プラン名 | 輕用量 | 中用量 | 高用量 |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額料金 | 無料 | 800元(3,866円) | 1200元(5,800円) |
無料メッセージ通数 | 200通まで | 3,000通まで | 6,000通まで |
追加費用 | 不可 | 不可 | 0.97円/通 |
台湾のLINEユーザーは2200万人といわれ、世界で3番目に利用者が多い国です。LINE公式アカウントは「LINE官方帳號」という名称。台湾版の高用量プランは日本版のライトプランより若干コスパが良いですね。
その他の国
現在、欧州連合、インドネシア、シンガポール、アメリカではライトプラン、スタンダードプランを利用することができず、500通/月までしか配信できません。
LINE@時代に無料アカウントを使った裏技でその他の国でアカウントを作成され、使い物にならなくなったという人も多いでしょう。
そんな方のために、どうしたらいいのかを後ほど解説していきます。
海外LINE公式アカウントの作成方法

LINE@の時はVPNネコというIPアドレスを海外の指定の国にし、FacebookでLINEアカウントを作成して海外アカウントを生成するという手法がありました。
しかし、現在はその方法は対策済みで利用できません。
ですから、作成したい方は作成したい国に出向いて携帯電話回線を契約し、LINEをその国に切り替える。
そしてLINE公式アカウントを作成するという流れになります。
もちろん、なかなかそのようには出来ないと思いますので、どうしても欲しい方は海外にお住いの知人友人に頼む、ないしは買うという選択肢があるでしょう。
海外アカウントのメリット・デメリット

これまで海外アカウントは
①料金が安い
②制限が緩い
という特徴があったので、これらを目的に作成される方がいらっしゃいました。
料金の違い
料金に関してはLINE公式アカウントに統一になってから、「日本アカウント」が他の国に比べて安くなりました。ですから、現在はあまり意味を成しません。敢えていうなら、「タイ版」が日本版よりも安くなっているので、コストを少しでも抑えたい方はタイ版の利用が良いでしょう。
実際に比べてみると
ライトプランの場合
日本版:月額5,000円、5,000通まで→1通あたり1円
タイ版:月額5,866円、15,000通まで→1通あたり0.39円
台湾版:月額3,866円、3,000通まで→1通あたり1.28円
タイ版は61%安・・・と破格の金額になります。(日本アカウントはタイ版の約3倍!)
スタンダードプランでは日本版の月額料金が15,000円で30,000通/月まで、タイ版の月額料金は8,185円で35,000通/月まで配信できるため、コスト面ではかなりのメリットと言えるでしょう。
タイ版はライトもスタンダードも月額料金がさほど変わらないので、契約するなら「スタンダード」一択ですね。
規制の違い
海外アカウントは日本版に比べアカウントに関する制限は緩いと言われています。厳密にはLINEヤフー社が判断しているので断定はできませんが、これまでアカウント停止に関する報告を聞いている限りでは、海外アカウントは日本アカウントに比べ優遇されていると言えます。
ただし、いくら制限が緩いと言われる海外アカウントであっても、ある日突然、LINE公式アカウントが消されるということも十分にありえますので、対策はしっかりとしておきましょう。
詳細は以下の記事をご確認ください。
セグメント配信
LINE公式アカウントは最近機能を充実させており、その中の一つに「セグメント配信」というものがあります。
セグメントというのは、なるべくお客さんのニーズに合ったものを届けるために、いくつかのグループに分けること(細分化)です。
その機能が海外アカウントだと機能しません。

例えば上記はタイ版のアカウントのフォロワー情報です。
見てわかるように、年齢や地域が不明というものが多く出てきます。さらにこのアカウントは日本の読者が大多数なのに、タイのバンコクやその他の名称が出ています。
つまり、海外アカウントだと正常に情報が取得出来ないため、使えないということになります。
ちなみに日本版アカウントはこのように表示されます。

年齢・性別、地域もしっかりと反映されてますね。
以上のことから、
安さ、アカウントの安定性:タイ版
しっかりとしたビジネスを展開:日本版
といった観点から選択すると良いでしょう。
ちなみにLINE公式アカウントの標準機能では、ユーザーの統計的な属性情報しか見れませんが、マーケティングシステムである「エルメ」で読者にアンケートを取ることで、性別、年齢、お住いなどの個人情報を収集し、セグメント配信も可能です。
こちらの記事にセグメント配信についてまとめているので、ぜひご覧ください。
海外版の公式LINEを日本版に切り替えたい場合(移行方法)
過去に海外アカウントにしたり、有料プランのない欧州連合、シンガポール、インドネシア、アメリカアカウントを利用していたりした方で、「日本版」に切り替えたいという方もいらっしゃると思います。
特に欧州連合、シンガポール、インドネシア、アメリカアカウントは有料プランがないため、一切配信ができなくなったということになっていませんか?
そこで今から有料プランを使う方法、日本版に変更する方法についてお伝えします。
お問合せをする

通常は、利用国の変更は出来ません。
しかし、有料プランに切り替えられないアカウントに関してはLINEヤフー株式会社にお問合せすることで変更できる場合があります。
お問合せの際には、
・メールアドレス
・お問合せ項目(PC→LINE公式アカウント→サービス移行→その他)
などを記入選択し問題の詳細部分に
『現在、読者様の多くが日本人ですが、海外アカウントとなっておりますため属性が上手く反映されておりません。また有料プランがないため切り替えが出来ない状態です。
日本に住んでおり今後日本アカウントとして利用したいのですがそちらの変更は出来ますでしょうか?』
といった記載をし、お問合せをすると良いでしょう。
また併せて、
・アカウント名
・ベーシックID:@で始まるID
該当のLINE公式アカウントの情報も添えて送りましょう。
変更や切り替えにかなり時間を要したり、対応して頂けない場合もありますが、まずは試してみてください。
LINE公式アカウントの海外版に関するよくある質問
海外版のLINE公式アカウントは普段利用する機会も少ないので、不明点が多い方も多いのではないでしょうか。
ここでは海外版公式LINEに関するよくある質問に回答していきます。
LINEアカウントの国設定は後から変更できる?
LINEの国設定は、アカウント作成時に入力した電話番号によって自動的に決まります。そのため、後から任意に国設定を変更することはできません。
もし別の国の設定でLINE公式アカウントを利用したい場合は、新しい電話番号を使ってアカウントを作り直す必要があります。
日本の電話番号なしでLINE登録はできる?
日本の電話番号がなくても、LINE登録すること自体は可能です。海外で携帯電話回線を契約し、LINEをその国に切り替えれば、海外の電話番号でもLINE公式アカウントは開設できます。
ただし、利用できる機能や一部のサービスは国ごとに異なるため、日本国内向けの機能を使いたい場合には注意が必要です。
日本国内向けのマーケティングにLINE公式アカウントを活用したい場合は、日本の電話番号でのアカウント開設をおすすめします。
海外の電話番号で日本のLINE公式アカウントは使える?
海外の電話番号で登録したLINEアカウントからでも、日本のLINE公式アカウントを友だち追加して利用できます。
ただし、国によっては一部のアカウントやコンテンツが表示されない場合があるので、ユーザーの利用環境に応じて、機能の制限などについては確認したほうが良いでしょう。
さらに海外のユーザーに向けて配信を行う運営者は、言語設定や時差を考慮する必要があるなど、運営をスムーズに進めるための対策が重要となります。
まとめ|海外版LINE公式アカウントの利用は注意が必要
LINE公式アカウントは、サービスを提供する国で作成されるのが一番です。
そうしないと後々ルール変更などで、そのアカウントが使い物にならなくなる可能性も十分にあります。
一時的に安いから、緩いから使うというのもありですが、その際には日本アカウントにも適度にリストを分散し、いつ何が起きても問題ないようなアカウント運用をしていくのが重要です。
- 海外版LINE公式アカウントは基本仕様などは同じだが、料金や規制、一部機能が国内版と異なる
- 海外版のLINE公式アカウントを開設するには現地の携帯電話回線を契約し、LINE公式アカウントを作成する必要がある
- 海外版LINE公式アカウントを日本版に切り替えたい場合は、LINEヤフー株式会社に問い合わせる必要がある
- 国内のマーケティング目的には、日本のLINE公式アカウントを利用するのがリスクが少ない
なお、「海外のユーザー向けにLINE公式アカウントを強化したい」など、より精度の高い公式LINE運用を行いたい方には、LINE公式アカウントの拡張ツール、L Message(エルメ)がおすすめです。
新規顧客の獲得に役立つ機能も多数備えているので、是非この機会に導入を検討してみてください。
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- 運用の参考になる【優良アカウント100選 】
- 自動的に集まる【 “ズルい”集客法 】
- これは断れない!さらっと受注できてしまう顧客獲得法