「LINE STAFF STARTってなに?」
「従来のLINEアプリ・LINE公式アカウントとどう違うの?」
「わざわざ導入する意味はあるの?」
LINEの新サービスである『LINE STAFF START』の名を聞くと、このように思う人もいるハズ。
詳しくは後述しますがLINE STAFF STARTとは簡単にいいますと、オフラインビジネスに特化した新サービスを指します。
具体的には商品コーディネートの提案やスタッフレビュー機能など、スタッフが顧客にアプローチする際に役立つ機能や各スタッフを評価・管理しやすくなる機能が搭載されています。
そのため従来のLINEアプリやLINE公式アカウントをそのまま使うよりも、顧客および従業員の管理をしやすくなる特徴があります。
もちろんLINE STAFF STARTを使うメリットは他にも『売り上げの可視化およびグラフ化・スタッフ別売り上げのランキング化』など、いろいろあります。
そこでこの記事ではLINE STAFF STARTの基本情報・メリット・導入方法を解説いたします。
この記事を読み終えるころには、LINE STAFF STARTが自社に必要か否かを判断できますよ。
LINE STAFF STARTとは?
まずはLINE STAFF STARTに関する基本情報を解説します。
サービスの概要
LINE STAFF STARTとは、バニッシュ・スタンダード社が開発した『STAFF START』と、LINE社の『LINE公式アカウント』を融合させた、店舗スタッフ向けのサービスです。
LINE STAFF STARTの具体的なサービス内容は以下の通りです。
- LINEチャット
- メッセージ配信
- LINEチャットコール
- LIVE配信
- コーディネート投稿機能
- スタッフレビュー機能
- PLAY機能
- まとめ機能
- QRメモ機能
- バイヤー機能
など
これらのサービスを利用することで、店舗スタッフと顧客がLINE上にて直接やり取りを行えるようになります。
この中でもメイン機能となるLINEチャット・メッセージ配信・LINEチャットコール・LIVE配信の詳細は後述致しますね。
導入された経緯
そもそも顧客との1対1のコミュニケーションであれば、従来のLINEアプリを使っても行うことが可能です。
しかしその場合ですと、従業員はプライベートアカウントを用いて顧客とやり取りをすることがほとんど。
その結果、企業は従業員と顧客のやり取りに積極的に介入および管理することが難しい状況でした。
それだけでなく従来のLINEアプリはただのコミュニケーションツールですので、ビジネスをする際に便利な機能はほぼ皆無です。
そのためLINE上で顧客に対して思うようなサービスを提供することが困難であり、企業はオンライン接客の本格導入をなかなか進められないという背景がありました。
LINEはこういった状況を打破するために、企業でも『オフィシャルかつ個人的なアカウント』を利用できる仕組み、つまりはLINE STAFF STARTをスタートさせたのです。
オフィシャル的なアカウントということで、企業は従業員と顧客のやり取りを管理しても問題ありません。
しかもLINE STAFF STARTはビジネス向けのサービスですので、従来のLINEアプリよりも機能が充実しています。
こういったこともありLINE STAFF STARTは提供されて間もないサービスなのですが、既にいくつかの企業で本格導入されています。
導入企業例
LINE STAFF STARTを導入している企業は以下の通りです。
【LINE STAFF START導入企業の一例】
ジャンル | 企業名 |
---|---|
家電 | ヤマダ電機 |
家具・インテリア | 大塚家具 |
オートバイ | DAYTONA |
アパレル | WEGO |
コスメ | ETVOS |
ヤマダ電機や大塚家具など、有名企業もいくつか導入していますね。
さすがに活用事例はまだ公にされていないのですが、どれも店舗を構えている企業であることがわかります(ETVOSは髙島屋や松坂屋などといった百貨店に出店しています)。
LINE公式アカウントを導入する企業がここ数年で爆発的に増えたことを考えますと、LINE STAFF STARTも一気に普及するかもしれません。
もしもあなたがオフライン店舗を有しているのであれば、これを機会にLINE STAFF STARTを導入してみるのもよいでしょう。
LINE STAFF STARTの導入方法に関しては後述致します。
LINE STAFF STARTの基本機能
LINE STAFF STARTで使える主な機能は以下の4つです。
LINEチャット
LINEチャットとはその名の通り、LINEを通じてチャットする機能のこと。
従来のLINEアプリやLINE公式アカウントのように、顧客と従業員が1対1でコミュニケーションをとることが可能です。
そもそもLINE STAFF STARTは従来のアプリよりも企業寄り、LINE公式アカウントよりも属人性が強い立ち位置になっています。
【ユーザーから見たときのアカウント主の立ち位置イメージ】
アカウントの種類 | 立ち位置のイメージ例 |
---|---|
LINE STAFF START | ▼▼企業の○○店舗所属の田中さん |
従来のLINEアプリ | 田中さん |
LINE公式アカウント | ▼▼企業の○○店舗 |
要するに従来のLINEアプリだと個人色が強すぎ、LINE公式アカウントのままだと企業色が強く出すぎてしまうわけですね。
そのためLINEアプリだと『友だちの延長線上のような意味のないやり取り』が、LINE公式アカウントだと『他人行儀なやり取り』が無駄に続いてしまうおそれがあります。
これでは売り上げにつながるコミュニケーションをとるのが、なかなか難しいですよね。
そんな時はLINE STAFF STARTの出番です。
LINEアプリとLINE公式アカウントの中間的立ち位置であるLINE STAFF STARTを使うことで『近すぎず・遠すぎず』の距離感で顧客とやり取りを行えます。
その結果『顧客にとってちょうどよい距離間』でのアプローチが可能となりますよ。
メッセージ配信
友だち追加した友だちに対してメッセージを配信できます。
LINE公式サイトにこの機能の詳細情報が記載されていませんが、基本的な機能や配信方法はLINE公式アカウントとおそらく同様でしょう。
LINE公式アカウントを使いなれているのであれば、すぐに使いこなせるようになるハズです。
LINEコール
LINEコールとはLINEを介して電話を行う機能のこと。
具体的に言いますとLINE公式アカウントに記載した『LINEコールボタン』をユーザーがタップすることで、従業員と顧客が通話およびビデオ通話できるようになる機能です。
ただし、従業員側から顧客に対して一方的にLINEコールをかけることはできません。
LINEコールはあくまで、従業員が提示した電話番号もしくはLINEコールボタンをユーザーがタップすることで使える機能です。
つまり、最終的にはユーザーがLINEコールをするか否かを決定できるわけですね。
そのためLINEコールは、最終的には『ユーザーの意向』が尊重される機能になります。
従業員側の都合でいつでも電話をかけられるわけではありませんので、ご注意ください。
なお、LINEコールに関しましては『LINE公式アカウントのLINEコールは無料で使える通話機能のこと』で詳しく解説していますので、参考にしてください。
LIVE配信
LIVE配信はビデオ通話を介しリアルタイムでのやり取りをできる機能を指します。
YouTubeやInstagramなどに似たような機能がありますが、簡単に言うとあれのLINEバージョンという認識でOKです。
メッセージでのやり取りが難しいときや、面と向かってコミュニケーションを取りたいときに重宝する機能です。
顧客との間にある程度の信頼を構築できましたら、LIVE配信で商品等をPRするとよいでしょう。
ただしリアルタイムのやり取りになりますので、配信の時間帯や相手の都合を考えたうえで配信しなければ迷惑になってしまいます。
そうなりますと、せっかく築き上げた信頼を失ってしまうかもしれません。
そういった事態を回避するためにも、LIVE配信をする際は細心の注意を払って実行するとよいでしょう。
LINE STAFF STARTのメリット
LINE STAFF STARTを利用するメリットは3つあります。
従業員と顧客のやり取りを可視化できる
一番のメリットは従業員と顧客のやり取りを可視化できる点にあります。
その結果『何が購買の決定打になるのか?』を追求しやすくなり、売り上げや利益の向上が可能です。
そもそも従来のようなオフライン接客では、各々の発言を逐一メモすることは実質的に不可能でしたよね。
そのため以下の点が不明となりやすく、1つ1つのやり取りを売り上げおよび利益の向上に結び付けることが困難でした。
- どこの誰が・いつ・どうやって・どういう経緯および経路で店舗に訪れたのか
- 結局その顧客は何が欲しいのか
- なぜそれが欲しいのか
- その際に従業員はどういった情報を提供したのか
- どのようにコミュニケーションをとったのか
- 結局どういった商品を薦めたのか
- 顧客は商品を買ったのか
しかしLINE STAFF STARTを使えばテキスト形式で上記の内容を質問できる、つまりは1つ1つのやり取りをすべて可視化できるようになります。
そして可視化したやり取りを分析することで、購買の引き金となった発言・情報が何なのかをじっくり追求できます。
これを繰り返すことで『どの顧客に対して、どのようなアプローチをすれば購買につながりやすいのか?』がだんだん見えてくるのです。
つまりLINE STAFF STARTはオフライン接客に比べて、有益な情報の可視化・分析・データの蓄積・他スタッフへの共有がはるかに簡単になるわけですね。
これが商売をする上でどれだけ重要なのかは、想像に難くありませんよね。
したがってLINE STAFF STARTを通じたコミュニケーションは積極的に繰り返し、購買に対して有効となる発言や情報が何なのかをどんどん探っていくべきでしょう。
そうすれば、効率よく売り上げや利益を上積みさせることができますよ。
LINE上にて売り上げ・集客を見える化できる
LINE上にて売り上げ・集客をグラフ形式で可視化および数値化することができます。※
※LINEチャットでのメッセージを通じて、自社ECサイトで売り上げがあった場合に限る。
売り上げを数値化することで、どの従業員がどれぐらい売り上げに貢献しているのかを直感的に理解できるようになります。
もしも売り上げが優れている従業員を見つけたら、その従業員と顧客のやり取りをチェックしてみてください。
売り上げを向上させるためのヒントを見つけられるかもしれませんよ。
なおLINE STAFF STARTの場合ですと、各店舗スタッフの売り上げを1つにまとめ、ランキング形式で確認することも可能です。
このランキング結果をオフライン世界で公表することで、従業員同士の競争心を促進することができ、売り上げ向上も期待できます。
「どうも最近、チームが停滞しているな。活気もないし……」というときは、この売上ランキング制度を導入し、各従業員に刺激を与えるよいでしょう。
そうすれば、販売に対する積極的な動きを見せてくれるかもしれませんよ。
コンテンツを簡単に送信できる
LINE STAFF STARTであれば、コンテンツ(動画・商品カルーセル【複数の商品画像をスライド形式で表示させられる機能】など)をLINE公式アカウント同様に送信できます。
そのため単にテキストを送信するだけの従来のメルマガよりも、顧客に対してPRしやすくなります。
もしも未だに一般的なメルマガをビジネスツールに使っているのであれば、これを機にLINEをビジネスツールにするとよいでしょう。
直感的な操作性や使える機能の豊富さに驚くこと間違いなしです。
LINE STAFF START導入の流れ
LINE STAFF STARTは少し特殊で、LINE公式アカウントのように10分程度の操作で導入できるものではありません。
具体的に言いますと、導入するには以下の手順が必要になります。
申し込み
まずは『LINE for Business|新規サービス導入に関するお問い合わせ』にアクセスをしてください。
そして以下の情報を入力しましょう。
- 会社名
- 業種
- 売上高
- 部署
- 性
- 名
- メールアドレス
- 電話番号
- 対象サービス
- 問い合わせ内容(例:LINE STAFF STARTを導入したい)
上記を入力し終えましたら、個人情報の取り扱いに関する同意をしてから『送信』ボタンをクリックしましょう。
これで申し込み(厳密には問い合わせ)が完了します。
後はLINEからの連絡を待ちましょう。
なお、もしも「LINE STAFF STARTを導入するかは、社内にて関連資料を精査してから判断したい」という方は『STAFF START(スタッフスタート)』にて資料請求を行ってくださいね。
無料で資料請求できますよ。
契約
LINE社からの連絡来て、申請が通れば契約出来ます。
疑問点があるときは、この時に一通り聞いておきましょう。
環境構築
LINE STAFF STARTを利用するために必要な環境を構築します。
この時に備えてシステム管理担当者を事前に決めておくとよいでしょう。
そうすれば業務連絡等のやり取りをスムーズに進められますよ。
アカウント発行
環境構築が完了でき不備や問題がなければ、晴れてアカウントが正式に発行されます。
アカウントが発行された後はあいさつメッセージや自動返信機能の設定などを済ませておくとよいでしょう。
そうすることで、ある程度の業務を自動化・効率化することができます。
その結果、顧客との『売り上げにつながる可能性がある1対1のやり取り』に時間をかけることができます。
時間と手間をかける価値がある業務を、しっかりと見極めてくださいね。
サービス開始
ここまで来て、ようやくLINE STAFF STARTを利用できます。
LINE公式サイトによりますと、サービスを開始できるようになるまでに約1か月かかるようです。
従来のLINEアプリやLINE公式アカウントのように、インストールおよび申し込んだその日に利用できるようになるわけではないということですね。
したがって「LINE STAFF STARTを利用してみようかな」と検討している人は、なるべく早く申し込んだ方がよいでしょう。
まとめ|LINE STAFF STARTを利用しよう
LINE STAFF STARTの基本的な情報がわかりましたね。
ここまで読んだ人の中には既にお気づきの方がいるかもしれませんが、正直な話をしますとLINE STAFF STARTとLINE公式アカウントの各機能はほぼ同じです。
ただLINE STAFF STARTは顧客とのチャット上に担当スタッフ名が表示されますので、企業や店舗というよりも、本当にスタッフさんとやり取りをしているような印象になります。
その結果LINE公式アカウントを使うよりも距離感が近くなり、親しんでもらいやすくなるでしょう。
そこに加えて、信頼してもらえるような情報発信やプレゼントをさらに繰り返すことで、ただの一般顧客をリピーターや上客に育て上げることも可能です。
「LINE公式アカウントよりもさらに近い距離間で顧客とやり取りをしたい」
「リピーターや乗客を増やしたい」
このように考えている人は、LINE STAFF STARTを使ってみてくださいね。
今までとは一味違った顧客戦略を練れますよ。