全国で店舗数がもっとも多いエネオスなど、LINE公式アカウントを運用し、集客拡大を図るガソリンスタンドが増えています。LINE公式アカウントは、ガソリンスタンドの販売促進につながるような多彩な機能を備えています。
しかし「LINE公式アカウントって何ができるの?」
「地方のガソリンスタンにはLINEなんて関係ないでしょ?」
など考えているガソリンスタンド経営者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では
- LINE公式アカウントでできる集客対策の中身
- ガソリンスタンドでの活用例
- 実際にLINE公式アカウントを運用して成功をおさめているガソリンスタンドの事例
などについて解説します。
新たな集客策を模索しているガソリンスタンドオーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
LINE公式アカウントでできることとは?
LINE公式アカウントを活用するメリットや、LINEならではの特徴として、下記のような点が挙げられます。
- 無料のプランからはじめられる
- リアルタイムな情報発信ができる
- 利用者とコミュニケーションが図れる
- クーポンを簡単に作成・配信できる
- データや効果を確認しながら運用できる
それぞれ詳しく解説します。
無料のプランからはじめられる
LINE公式アカウントは無料のプランから使用することができます。
月額料金は下記の通り設定されています。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費(税別) | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数(月) | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ料金(税別) | 不可 | 不可 | ~3円/通 ※2 |
※1メッセージ通数は送付人数×メッセージ通数でカウント。1通あたり3吹き出しまで送付可能。
※2 追加メッセージの単価は配信数によって異なる。
参考:LINE公式アカウント 料金プラン|LINEヤフー for Business
1カ月あたり200通以上のメッセージを配信する場合、「ライトプラン」「スタンダードプラン」といった有料プランを申し込む必要がありますが、「コミュニケーションプラン」なら月額料金は無料で利用できます。
まずは無料の「コミュニケーションプラン」からはじめて、友だち(登録者)の数が増え、配信数を増やしたくなった際に有料プランを検討すれば良いでしょう。
無料プランからはじめられるので、「どれだけ効果があるか試してみたい」というガソリンスタンド経営者の方にもおすすめです。
こちらの記事では、LINE公式アカウントの無料プランでできることをまとめています。無料でありながら、さまざまな活用方法がみつかるはずです。ぜひチェックしてみてください。
リアルタイムな情報発信ができる
LINEのメッセージの特徴として、リアルタイムな情報をユーザーに配信できることが挙げられます。セール情報やイベント告知はもちろん、「現在の混雑状況」や「今だけのタイムセール」など、短期的な内容を顧客へ案内し、来店を促すことが可能です。
内容もメールのようなテキスト情報に加え、画像・スタンプ・カードタイプメッセージなど、視覚的に注目されやすい形式で配信できます。
日常的にLINEを使用している人も多いため、メルマガなどの媒体よりも、高い開封率が見込めるでしょう。「友だち」が増えてくれば、性別や年齢など、対象を絞ったメッセージ配信も行えます。
利用者とコミュニケーションが図れる
ユーザーとのコミュニケーションがとりやすいことも、LINEの大きな特徴です。いわゆる「チャット」形式で顧客へメッセージを送信できるので、個別のやり取りも簡単に行えます。
また、利用者側も「LINEでの会話は気軽に行える」という声も多く、電話やメールよりもかしこまらずにコミュニケーションが図れます。
LINE公式アカウントを活用してコミュニケーションを深めれば、ユーザーも自社ガソリンスタンドを身近に感じてくれるかもしれません。サービスの予約や申し込みなど、簡易的に済ませたい手続きにも向いています。
クーポンやポイントカードを簡単に作成・配信できる
割引券などのクーポンやポイントカードは、集客や販売促進の定番ツールですが、LINE公式アカウントなら簡単操作ですぐにクーポンやカードを作成・配信できます。
紙のクーポン券やポイントカードは、作成するのに時間もコストもかかるうえ、利用者が忘れてしまったり、紛失してしまったりなど、使い勝手が良くないことが難点です。
その点LINEのクーポンやカードなら、普段携帯しているスマホのなかにデータがあるため、紛失の心配がありません。ユーザーも簡単操作で提示できるため、使用率も高く、配信時の注目度も高いです。
こちらの記事ではLINEクーポンの種類や作成方法について詳しく解説しています。読めばLINEのクーポンの使用感が理解できるでしょう。ぜひご確認ください。
データや効果を確認しながら運用できる
会員情報や顧客のデータ、クーポンの使用状況などについて、集計・分析するのに苦労しているガソリンスタンド経営者の方も多いことでしょう。
LINE公式アカウントでは、専用の管理画面から性別、年齢層、居住地といった顧客の情報を確認できるほか、メッセージの開封状況など、施策の集計・分析もチェックできます。
「集客策を打ったらおしまい」ではなく、その効果を確認しながら、対策の精度向上を図ることも可能です。
注目度の高い内容の配信頻度を上げたり、特定のユーザーに向けて個別的なクーポンを送ったりするなど、データにもとづく対策が打てることも、LINE公式アカウントの特徴といえます。
なお、どのようにデータ分析できるかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。集客対策の精度アップを狙いたい方は、ぜひご確認ください。
ガソリンスタンのLINE公式アカウントおすすめ活用法
ここからは、ガソリンスタンドでの具体的なLINE公式アカウント活用法を紹介していきます。ユーザーと手軽にコミュニケーションが行えるLINEだからこそ、ガソリンスタンドでもさまざまな集客対策に役立てることができます。
ガソリンスタンドならではの活用法も取り上げるので、ぜひ参考にしてみてください。
独自のクーポンを配信する
LINE公式アカウントならオリジナリティに富んだクーポンが作成・配信できます。
友だちへ自社ガソリンスタンド独自のクーポンを配信すれば、ユーザーへ「特別感」を与え、集客を促すことができるでしょう。
洗車やオイル交換の割引券も効果的
ガソリンスタンドの重要なサービスのひとつに、洗車やオイル交換、撥水コーティングなどの、いわゆる「油外商品」がありますが、その拡販にもLINEクーポンは効果的です。
普段は給油サービスしか利用しない方にも、限定の「オイル交換クーポン」などを配信すれば、段階的に自社ガソリンスタンドへの「リピーター化」を促せます。
またリアルタイム情報を送れるLINEクーポンの利点を生かし、雨天の際に「雨の日限定洗車クーポン」を配布するなどの施策も有効でしょう。
LINEによる継続的な働きかけで、自社に特別感を感じてもらえれば、油外商品が必要な際も、優先的に利用してもらえるかもしれません。
友だち獲得のきっかけとしても有効
LINE公式アカウントは友だちの数が増えるほど、打てる集客施策の幅が広がります。友だち獲得はLINEを運用する企業にとっての課題ですが、その際もクーポン券の配布はとても有効です。
まずは需要の高い給油のクーポンで友だち追加を促し、その後、油外商品の販売促進を図っていくのが、ガソリンスタンドの効果的なクーポン活用法といえます。
サービスの内容を案内する
「ガソリンスタンドはガソリンを給油するところ」としか認識していない利用者も少なくありません。そのような場合、そもそも給油以外にどのようなサービスを提供しているか、認知してもらうことも大切です。
そういった場合もLINE公式アカウントを活用し、サービスの案内を配信することが有効です。洗車やオイル交換などの油外商品のほか、車検やレンタカーなど、通常の告知活動ではなかなか認識してもらえないようなサービスも、LINEなら見てもらえる可能性が増します。
テキストでの案内が目立たない場合は、写真やイラストを交えて視認性を上げたり、利用者限定のプレゼント企画をプラスするなど、工夫次第で各サービスの認知を高めることも可能です。
友だち限定のイベントを開催する
LINEの友だち追加をしてくれたユーザーは、程度の差こそあれ、自社ガソリンスタンドに興味を持ってくれている顧客です。そのため「LINE友だち限定イベント」などを開催すれば、特別感やお得感を与え、来店を促すことができるかもしれません。
たとえば「LINE友だちのみ、ガソリンを〇%割引」「LINE画面のご提示で〇〇をプレゼント」など、定期的に友だち限定イベントを企画すれば、そのタイミングでの客数アップを図れるほか、自社ガソリンスタンドの注目度を上げることができるでしょう。
ショップカードを配信する
LINE公式アカウントには「ショップカード」という機能があります。これは、来店時やサービス利用時に付与するポイントを、LINE公式アカウントで管理できる機能です。
紙のポイントカードをLINEに移行することで、ユーザーもカードを紛失する恐れがなく、スムーズに活用できます。
ポイントを貯めてお得になることで、再来店が見込めるほか、ポイントに有効期限を設定し期限内の利用を促すことも可能です。
またユーザーのポイント利用状況なども分析できるため、告知や集客方法も改善を加えながら運用することができます。
ショップカードについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。ショップカードの基本機能や作成方法など、わかりやすく解説しています。
ガソリンスタンドのLINE公式アカウント活用事例
ここからは実際にLINE公式アカウントの運用で成果を上げているガソリンスタンドの成功事例を紹介します。
大手企業の大規模な活用事例や、よりローカルな施策も解説するので、自社に応用できることはないか、確認してみてください。
株式会社新出光
株式会社新出光は、2024年に創業98年を迎えた老舗石油商社です。同社がガソリンスタンドの課題として抱いていたのが、若年層への訴求でした。
そのような背景があり、同社はLINE公式アカウント「イデックス」を開設。自社の会員情報とLINE公式アカウントを連携した友だちを「イデ友」とし、ファン化を図るべくコミュニケーションを強化しました。その結果、「イデ友」1万5千人、総数2万人以上もの友だちを獲得することに成功しています。
イベント情報やクーポンを配信するほか、LINE広告を通じて友だちの獲得を狙う「友だち追加広告」も実施した同社。商品購入レシートの画像を添付するとプロ野球の観戦チケットが当たるキャンペーンなどを開催し、通常時期のおよそ10倍もの友だち追加数を記録しました。
友だち獲得に大きな効果を発揮する「友だち追加広告」については下記の記事をご参照ください。
参考:友だち追加を活用したファン獲得施策。ガソリンスタンドを地域に欠かせないコミュニティーへ|LINEヤフー for Business
種子島石油グループ
種子島石油グループは昭和29年創業の老舗企業で、鹿児島県種子島にてガソリンスタンドやプロパンガスの「エネルギー事業」、カーコーティングやカーリースの「カーライフ事業」などを展開しています。
同社のモットーは「離島のハンディーを感じさせない種子島での暮らしの創造」。そんな同社が2021年から導入しているのがLINE公式アカウントです。
友だち追加をするだけでクーポンがもらえるサービスを行うほか、友だちには定期的にお得情報を配信。その内容も割引や値引きだけでなく、粗品プレゼントやキャンペーン情報、求人情報や地域情報など多岐にわたります。
さらに同社が行っている灯油の配達サービスもLINEから注文できるように整備し、ユーザーの利便性向上を図りました。
「手探りで運営してまいりますので温かく見守ってください」と自社アカウントを案内する同社。そのような温かみがあり、ローカルなコミュニケーションが図れるのも、LINE公式アカウントの特徴といえるでしょう。
参考:オトクな情報やクーポンを配信♬【種子島石油グループ公式LINEアカウント】開設いたしました! | 種子島石油
まとめ|ガソリンスタンドでもLINE公式アカウント運用は集客に効果的
この記事ではガソリンスタンド経営者の方に向け、LINE公式アカウントで出来ることの解説や、具体的な活用事例を紹介しました。
LINE公式アカウントは友だちと気軽にコミュニケーションを図れるほか、クーポンやキャンペーン情報を配信して、自社のファン化を促すことも可能です。
リアルタイムなやり取りが行えるため、ガソリンスタンドの集客策としても、さまざまな活用法が見出せるでしょう。
このようにLINEマーケティングを深めれば、ガソリンスタンドのさまざまな客層へのアプローチが図れます。
またLINE公式アカウント拡張ツールL Message(エルメ)を利用すれば、集客から決済・分析までスムーズに進めることが可能。初期費用・月額費用0円から利用でき、契約期間の縛りがないので、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。