顧客管理や販促ツールとして便利なLINE公式アカウントですが
「本格的に運用するとかなり費用がかかりそう」
と躊躇していたり、とりあえず作っただけだったり、という状況になっていませんか。
実はこういった中小企業や小規模事業者の支援のために「IT導入補助金」という制度があります。
「え、LINEみたいな身近なツールが補助金の対象になるの?」
と疑問に思われるかもしれませんが、LINE公式アカウントや関連ツールはIT補助金の対象になるのです!
この記事では、
- IT導入補助金の基本
- 申請の手順や注意点
- LINEアカウント導入のメリット
- 同じく補助金対象となる関連ツール
までを網羅して解説します!
LINE公式アカウントはIT導入補助金の対象?
前述の通り、LINE公式アカウントはIT導入補助金の対象となります!
IT導入補助金を利用することで、LINE公式アカウントの導入費用の一部を補助してもらうことができます。
では、IT導入補助金とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
詳しく解説していきます。
その前に、「LINE公式アカウントとは何か」を詳しく知りたい方はぜひ下記の記事もご覧ください。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が業務の効率化や競争力の向上など、さまざまな経営課題を解決するためのITツール導入を支援するための補助金です。
IT事業者向けのものと思われがちですが、今までITとは無縁だった企業でも対象となっています。
LINE公式アカウントの導入も、IT導入補助金の対象となるため、補助金を利用することで負担を軽減することができます。
IT導入補助金の種類
IT導入補助金にはいくつかの種類があり、以下の5つに分類されます。
・通常枠(A・B類型)
・セキュリティ対策推進枠
・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
・デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
順番に説明していきます。
通常枠(A・B類型)
通常枠(A・B類型)は、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に経費の一部を補助するものです。
顧客対応・販売支援、決済・債権債務、供給・在庫・物流管理、会計・財務など多くの分類が『通常枠(A・B類型)』に当てはまります。
使用用途にもよりますが、LINE公式アカウントの導入は、通常枠の対象となることが多いです。
ITツールを導入する際に満たす機能要件の数によって、5万円から最大450万円までと大きく支援額は異なります。
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠は、簡単に言うと『情報セキュリティ対策に関する補助金』です。セキュリティ対策を強化するための費用を補助してもらうことができます。
サイバー攻撃をはじめとしたセキュリティ上のリスク低減のための支援となるため、すでにECサイトを持っていたり、ITシステムを運用している、また導入しようとしている場合に検討する枠でしょう。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに特化して、デジタル化を推進するための補助金です。これらの業務のデジタル化に関する費用を補助してもらうことができます。
ハードウェア、ソフトウェアいずれかの導入で支援額が異なります。
LINE公式アカウントで「決済」を行ったり、「EC」として活用したりするのであれば、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の対象となります。
片方の場合は最大50万、両方(2つ以上)の場合は最大350万円が補助の対象となります。
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した受発注システムを対象として、費用を補助してもらう事ができます。
導入する内容によって支援額が異なるため、事前に確認しましょう。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は、複数の企業が連携してデジタル化を進める場合に補助される制度です。
業務上つながりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」に属する複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入する場合の取組みを支援します。
IT導入補助金の利用・申請の流れ
IT導入補助金を利用したい場合、申請の流れは以下となります。
1.「gBizIDプライム」アカウントの取得
2.「SECURITY ACTION」の実施
3.「みらデジ経営チェック」の実施
4.交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
5.ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
6.事業実績報告
順番に解説していきます。
1.「gBizIDプライム」アカウントの取得
まずは、IT導入補助金の申請に必要な「gBizIDプライム」アカウントを取得しましょう。アカウントの取得方法は、公式ウェブサイトで確認することができます。
gBizIDプライムアカウントIDは、発行まで約2週間かかります。早めに申請手続きを行いましょう。
2.「SECURITY ACTION」の実施
申請には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言済IDが必要になります。
「SECURITY ACTION」の宣言は、中小企業・小規模事業者等自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。IT導入補助金の申請では、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言する事を要件としています。
具体的な内容は、公式ウェブサイトでご確認ください。
3.「みらデジ経営チェック」の実施
IT導入補助金の申請には、「みらデジ」における「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行う事が必要です。
1.で作成したgBizIDプライムアカウントを連携登録し、「みらデジ経営チェック」を実施ください。
「みらデジ経営チェック」については「みらデジ」公式の『「IT導入補助金」申請にあたり、みらデジ経営チェックを実施される事業者さま』をご確認ください。
手順に従って行わなければ、申請要件を満たさず不採択となってしまいますので、必ず確認しましょう。
4.交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
補助金の交付申請は、IT導入支援事業者と共同で行う必要があります。事業者と相談しながら、申請書類を作成し提出しましょう。
また、デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)については、申請フローや交付決定後の手続きが異なるので事前に確認しましょう。
5.ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
交付申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けたら、LINE公式アカウントの導入に必要なITツールの発注・契約・支払いを行いましょう。
6.事業実績報告
補助金の利用後は、事業実績報告を行う必要があります。報告書類の提出期限に注意し、正確に報告しましょう。
IT導入補助金申請時の注意点
IT導入補助金を申請する際には、下記の通りいくつか注意点があります。
・IT導入補助金の対象者は中小企業・小規模事業者に限られる
・補助金交付までに時間がかかる可能性がある
・設立したばかりの法人は対象外
順番に解説します。
IT導入補助金の対象者は中小企業・小規模事業者に限られる
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が対象となっています。大企業の場合は、補助金の対象外となることがありますので、注意が必要です。
補助金交付までに時間がかかる
補助金の交付までには、審査や手続きなどに時間がかかる可能性があります。
また必ず申請が通る訳ではありません。再申請をする必要も考慮に入れた上で、申請時に余裕を持って計画を立て、早めに手続きを進めるようにしましょう。
補助金はツールの支払い後に交付されますので、一旦全額支払えるよう準備も必要です。
設立したばかりの法人は対象外
IT導入補助金は、「1回以上の決算を終えていること」が申請要件となっています。設立したばかりの法人は対象外となるため、決済を終えた次年度に申請を行いましょう。
補助金でLINE公式アカウントを導入するメリット
以下では、補助金の対象となるLINE公式アカウントで実際どんなことができるのか一例を紹介します。
ちなみに、今回ご紹介しているLINE公式アカウントは個人でも無料で利用できるビジネスツールですが、無料の場合メッセージの送信数などに制限があります。
そのため、IT導入補助金を検討するような企業様には有料プランがおすすめです。
国内NO.1のSNSで情報配信が出来る
LINEは国内でユーザー数NO.1のSNSで、利用者数は9,500万人にのぼります。
この数は日本人口の約7割に上り、LINE公式アカウントを使えば、理論的には日本人の大半にアプローチ可能です。さらに
- LINEユーザーへの広告配信
- 友だちへの配信結果や友だちのパーソナル情報を分析
- 友だちの興味や属性に応じたメッセージを送信
といったこともできます。
LINEの分析機能について詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もご覧ください。
自動化で従業員の手間が省ける
LINE公式アカウントは自動応答機能や予約配信などの便利な機能を備えています。
自動応答機能を活用すれば、よくある質問や問い合わせに対して自動的に返信できます。顧客の簡単な疑問に対して即座に回答できるので、従業員の手間を大幅に軽減できるでしょう!
また、予約配信機能を使えば、事前にコンテンツを準備し、指定した日時に自動的に配信することができます。
定期的な情報発信やキャンペーンの実施、タイムセールなどのお知らせも狙った時間に配信するのもおすすめです。
顧客とコミュニケーションが取れる
LINE公式アカウントの作成で、一方的な情報発信だけでなく顧客と直接コミュニケーションを取れます。
LINEではチャット形式でメッセージを送ったり受け取ったりできるので、Eメールのように形式ばった挨拶も必要ありませんし、一目で誰から連絡が来たのかがわかります。
LINE公式アカウントを利用すれば、顧客からの質問や問い合わせにもより気軽に、スピーディーに対応できます。
また、LINEは多くの人々に利用されているため、顧客にとってはなじみのあるプラットフォームです。日頃から頻繁に使用しているユーザーが多く、開封のハードルもメールに比べると低いと言えるでしょう。
もっとLINE公式アカウントについて知りたい!という方は、こちらの記事もご覧ください。LINE公式アカウントの機能やメリットを紹介しています。
Lmessage(エルメ)やLステップ等の関連ツールも補助金で導入可能!
LINE公式アカウントを導入する際には、関連するツールも補助金で導入することができます。例えば、「Lmessage(エルメ)」や「Lステップ」等など、LINE公式アカウントをより効果的に活用するためのツールを導入することで、業務効率の向上が期待できます。
LINE公式アカウントとL Message(エルメ)の違い
ここでは、LINE公式アカウントとL Message(エルメ)の違いを簡単に説明します。
まずL Message(エルメ)はLINE公式アカウントをさらに便利にするためのツールです。
その為、LINE公式アカウントは必ず必要になります。
それぞれで出来ることを簡単に解説します。
LINE公式アカウントで出来ること
LINE公式アカウントでは、メッセージの一斉配信やチャット機能など基本の機能を提供しています。
主要な機能は下記です。
- 友だちへのメッセージの一斉配信
- 個別チャット
- 「ショップカード(ポイントカード)」の作成
- デジタルクーポンの発行・送信
- 個人を特定しないデータの分析・閲覧
この機能のみで十分であると感じる場合は、LINE公式アカウントを導入し、拡張ツールについては保留でよいでしょう。
L Message(エルメ)で出来ること
L Message(エルメ)では、LINE公式アカウントにはない、さらに便利な機能を提供しています。
ここでは特に好評な機能を3つご紹介します。
・フォーム機能で自動的に情報収集
アンケートフォームを作成でき、自動的に情報収集や顧客情報へ反映が可能。Googleスプレッドシートへの自動連携や各種申込フォームやコラム記事としても活用できます。
・カレンダー予約で予約受付をLINEで自動化
予約忘れをなくすためのリマインド配信やGoogleカレンダー連携で業務負担を削減できます。
・商品販売&決済連携
LINE内で商品販売から決済まで一貫した仕組み構築が可能に。購入者を特定し、その購入情報に基づいたフローアップ、アップセル、クロスセルなど実現できます。
この機能を使用する場合、「EC」「決済」機能を有することになる為、『デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)』の検討が出来るでしょう。
LINE公式アカウントだけで、やりたい事が実現できる場合はLINE公式アカウントを、LINE公式アカウントの機能だけではやりたい事が実現できない場合はぜひ、L Message(エルメ)の導入をご検討ください。
IT導入補助金を使って、L Message(エルメ)の導入を検討中の方はぜひこちらの記事もご確認ください。
まとめ:IT導入補助金を利用してLINE公式アカウントを導入しよう
IT導入補助金を活用することで、中小企業や小規模事業者でもLINE公式アカウントを導入することができます。
顧客とのコミュニケーションを強化し、業務効率を向上させるために、ぜひ補助金の申請を検討してみてください。
また詳しく知りたい方はIT導入補助金の公式ホームページもご覧ください。
LINE公式アカウントは誰でも簡単に開設できる、ビジネスツールです。顧客とのメッセージのやり取りや、自動投稿機能などを上手く運用し、新しい顧客の獲得やサービスの発信に役立てていきましょう。
なお、L Message(エルメ)公式LINEではLINE公式アカウントの自動集客や活用術を無料配信中です。以下のリンクから友だち追加してぜひ効果的な運用方法を学んでください!