「LINE公式アカウントのA/Bテストってどんな機能だったの?」
「サービスは終了したけど、A/Bテストと同じような機能はある?」
LINE公式アカウントのA/Bテストは、メッセージ配信のオプションのひとつで、効果的なコンテンツを探るのに有効な機能でしたが、2024年10月2日をもってサービスの提供を終了しました。
本記事ではLINE公式アカウントのA/Bテストの目的や、従来のA/Bテスト機能と同じように使える代替策について解説します。
- LINE公式アカウントのA/Bテスト機能の概要と目的
- LINE公式アカウントのA/Bテストが終了したあとの代替機能と活用方法
- A/Bテストが向いているケース・向いていないケース
- A/Bテストを効果的に運用する手順
- 効果的なメッセージ配信の分析ポイントと改善方法
LINE公式アカウントのA/Bテスト機能は提供終了
LINE公式アカウントのA/Bテストは、複数のメッセージを配信し、効果を比較することを目的とした機能です。
本機能は2024年10月に提供が終了となりましたが、「どのようなメッセージ内容がユーザーからの反応が大きいか」「どういった配信方法が顧客に届きやすいか」など、メッセージの中身やコンテンツのデザインなどを分析するのに有効でした。
同様の分析を行いたい方は、A/Bテストの概要を理解し、A/Bテストと同じように使える代替機能を利用する必要があります。
A/Bテストの概要と向いているケース
ここでは、「そもそもA/Bテストはどのような手法か」「どういった場面で有効か」という点について解説します。
LINE公式アカウントの配信分析においてももちろん有効的な手法なので、その概要を理解しておきましょう。
A/Bテストとは
A/Bテストとは、2通り以上のコンテンツや発信手段を実際に比較し、効果的な内容・方法を洗い出していくマーケティング手法です。
「どのような表現がユーザーに伝わりやすいか」「開封率・クリック率・反応率が高いのはどういった配信か」といった疑問を、実際の数値をもとに判断できます。
LINE公式アカウントのA/Bテスト機能も、複数のメッセージを配信し、開封率やクリック率の違いから最適な配信方法を探るために使われていました。
A/Bテストが向いているケース
A/Bテストは、次のような状況でとくに効果を発揮します。
改善したいポイントが明確で、ユーザーの母数もある程度確保できている場合、A/Bテストはたいへん有効です。
A/Bテストが向いていないケース
一方、次のようなケースではA/Bテストの効果が出にくくなります。
目的が曖昧だったり、母数が十分でなかったりすると、A/Bテストを実施しても有意義な結果につながらない可能性があります。
LINE公式アカウントでA/Bテストを実施する方法
これまでLINE公式アカウントのA/Bテスト機能を活用してきた企業や、今後A/Bテストのような検証を行いたい運用者は、A/Bテストに代わる機能を利用する必要があります。
ここではLINE公式アカウントのA/Bテストと同じように使える、代替機能について解説します。
絞り込み配信を活用する
A/Bテスト機能の代替策として、「絞り込み配信」を活用する方法がLINEヤフー社から提示されています。詳しくはLINEヤフー社のお知らせに記載がありますので、ご確認ください。
主な利用手順は以下の通りです。
- メッセージの配信先を「絞り込み」に設定し、比較したいメッセージのひとつ目を一部の友だちに配信
- 再び配信先で「絞り込み」を選択。「過去の配信」から1つ目のメッセージを送った配信先を除外し、比較したい2つ目のメッセージを送信
- 3つ以上のメッセージを比較・分析したい場合は、この方法を繰り返す
上記の手順で配信した各メッセージの結果をチェックし、もっとも効果があると思われるメッセージを、残りのユーザーに配信します。
このように絞り込み配信を利用することでA/Bテストと同じように、効果的なメッセージの分析・配信が可能です。
L Message(エルメ)の機能を活用する
A/Bテストの代替策として、LINE公式アカウントの拡張ツールL Message(エルメ)のタグ付け機能を利用する方法もあります。
タグ付けとはユーザーの属性や興味関心、行動などに応じて目印(タグ)を付け管理する機能のこと。
LINE公式アカウントのタグ付け機能は、友だち一人ひとりに手動でタグを付けていく必要がありますが、エルメでは、タグを友だちに一括で付与することができ工数削減が図れます。
タグ付けの概要やエルメのタグ付け機能については以下の記事をご参照ください。

例えば「メッセージA」を配信したユーザーに「メッセージA配信者」のタグを付けるなど、送ったメッセージごとにユーザーを管理すれば、その後の各ユーザーのアクションからどのメッセージが有効だったかを探れるでしょう。

上記の方法を用いれば、従来のA/Bテスト機能の条件となっていたターゲットリーチ(メッセージが配信できる友だちの数)が5,000人以上いなくても、A/Bテストと同様の検証が行えます。
このほかにもエルメは集客・販促につながるさまざまな機能を備えており、決済、分析にいたるまでLINE公式アカウントの機能を全て⾃動化することが可能です。
データ分析機能も充実していて、A/Bテストのような、効果の出やすい配信方法を探るのにもたいへん便利です。
初期費用・月額費用0円から利用可能で、契約期間の縛りなどもないので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
LINE公式アカウントのA/Bテストで検証するポイント
LINE公式アカウントのA/Bテスト機能は提供終了となりましたが、上記で紹介した代替機能を使えば同様の分析が可能です。
ここではA/Bテストを実施する際、どのような点に着目するべきか、検証が必要なポイントについて解説します。
吹き出しの順番
LINE公式アカウントのメッセージ配信では、1回の配信で3つの吹き出しまで送信することができます。吹き出しの種類も通常のテキストのほか、クーポンやリッチメッセージなどを組み合わせることが可能です。
A/Bテストでユーザーの反応を検証する際は、吹き出しの順番による効果の違いに注目すると良いでしょう。
吹き出しの順番によって、ユーザーがトーク画面を開いたときにはじめに目に入る情報が変わります。また吹き出しの順番は、後述するトーク一覧やプッシュ通知の内容にも関わる大切な要素です。
どの吹き出しの順番が、もっともユーザーのアクションを引き出せるのか、比較してみると良いでしょう。

リンクの表示方法
メッセージの中にほかのページへのリンクを含める場合、効果の出やすい表示方法を検証することも重要です。
リンクの表示方法には通常のテキストにURLを記載するほか、リッチメッセージやカードタイプメッセージなどで遷移させる方法もあります。

- テキスト:テキストリンクをタップすると別のWebページへ遷移する
- リッチメッセージ:表示されたバナーをタップすると別のWebページへ遷移する
- カードタイプメッセージ:下段のテキストをタップすると別のWebページへ遷移する
LINE公式アカウントのメッセージの種類については、以下の記事を参考にしてください。

キャンペーンやセールの特設ページなどを用意する場合は、どの表示がもっともユーザーを誘導できるか、比較してみると良いでしょう。
プッシュ通知やトーク一覧の表示
A/Bテストを行う際は、ユーザーのLINEのプッシュ通知やトーク一覧の内容も考慮する必要があります。
複数の吹き出しを送信する場合、プッシュ通知やトーク一覧に表示されるのは、最後の吹き出しの内容です。
またリッチメッセージやカードタイプメッセージの場合は、コンテンツのタイトルが表示されます。

プッシュ通知やトーク一覧は、ユーザーがトークを開くかどうかを決める重要なポイントなので、どのような表示がもっとも高い効果をあげるか、検証する必要があるでしょう。
LINE公式アカウントでA/Bテストを効果的に運用する手順
A/Bテストは、やみくもに配信しても有効な結果は得られません。
ここでは実際のLINE公式アカウント運用で再現しやすいよう、目的→仮説→実施→分析→改善の流れを5つのステップに分け解説します。
1. テストの目的を明確にする
A/Bテストを行う際は、まず「何を改善したいのか」という目的設定を明確にしましょう。
クリック率・開封率・クーポン利用率・ブロック率など、改善したい指標を具体的に定めることで、テスト内容が明確になり、のちの分析もぶれずに進められます。
目的が曖昧なままでは、結果から得られる情報も薄く、改善施策につなげにくくなります。
2. 比較用のパターンを作成する
次に目的に沿って、比較するA案・B案のメッセージを作成します。
このとき、変更するのは可能な限りひとつの要素に絞るのがポイントです。
メッセージのトーン、画像の種類、ボタンデザインの調整、訴求内容の違いなど、比較対象を明確にしておくことで、検証の際に「どの変更が効果を生んだのか」を判断しやすくなります。
複数箇所を同時に変えてしまうと、どの要素が結果に影響したのか判別が難しくなるので注意しましょう。
3. 配信対象を分割し、同一条件で配信する
作成したパターンを配信する際は、メッセージを送る友だちをA案・B案に分け、均等かつ偏りのない形で配信します。
また、配信タイミングはA・Bともに可能な限り揃えることが重要です。
曜日や時間帯が違うだけでもユーザーの反応率が変わるため、同条件で比較できる環境を整えることが、テストの信頼性を左右します。
4. 結果データを比較し、効果を評価する
配信後は、各案の数値を比較し、当初設定した指標に対してどちらが効果的だったか評価します。
クリック率・開封率・反応率・ブロック率などを確認し、どの要素が改善に効果的だったかを考察しましょう。
また、必要に応じてユーザーの属性ごとに再分析を行うと、より深い考察結果が得られる場合もあります。
5. 効果の高い案を本配信や次の施策に反映する
配信の分析結果を踏まえ、より効果の高かったパターンを本配信や今後のメッセージ改善に反映しましょう。
A/Bテストは一度実施して終わりではなく、継続的に行うことで精度が高まり、アカウント全体の成果向上に結びつきます。
改善 → テスト → 分析 → 反映というサイクルを回すことが、効果的な運用のポイントといえるでしょう。
まとめ|サービスが終了してもA/Bテストは実施可能
本記事では、LINE公式アカウントのA/Bテスト機能について解説しました。
- 2024年10月に終了したLINE公式アカウントのA/Bテストは、配信メッセージの効果を比較・分析できる機能
- 絞り込み配信やL Message(エルメ)のタグ付け機能を活用することで、同様の検証が可能
- LINEのメッセージ配信では吹き出しの順番やリンクの表示方法、プッシュ通知・トーク一覧の表示などの分析に有効
- A/Bテストを行う際は、目的を明確にし、比較する要素をひとつに絞ってテストすることが大切
- 配信後はクリック率や開封率などの数値を分析し、効果の高い案を反映させることで、アカウントの配信精度を改善できる
A/Bテストはサービスの提供を終了しましたが、本記事で紹介した方法を利用すればA/Bテスト自体は実施できます。
とくにLINE公式アカウントの拡張ツールL Message(エルメ)を利用した方法なら、ユーザーの行動に合わせてタグ付けを自動で行えるため、A/Bテストはもちろん、ユーザーの管理がより効率的に行えます。
エルメは初期費用・月額費用0円から利用できるので、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。






