「LINE公式アカウントのAIチャットボットってなに?」
「AIチャットボットの費用や設定方法を知りたい」
LINE公式アカウントの新機能として、2025年11月に「AIチャットボット(β)」の提供が開始されました。
AIチャットボットを活用すれば、従来の「応答メッセージ」よりも柔軟に質問者の意図をくみ取ることが可能。顧客への対応精度を高めつつ、運用負担を大きく軽減できます。
本記事では、AIチャットボットの特徴や応答メッセージとの違い、費用、設定方法、活用のポイントまで詳しく解説します。
- AIチャットボット(β)の概要と仕組み
- AIチャットボットと応答メッセージの違い
- AIチャットボットの具体的な設定方法と利用手順
- Q&Aの作り方やAIチャットボットの精度を高めるコツ
- AIチャットボットの店舗・企業での活用例
LINE公式アカウントのAIチャットボットとは?
「AIチャットボット(β)」は、ユーザーから届いたメッセージ内容をAIが解析し、登録しておいたQ&Aの中から最適な回答を自動で返してくれる機能です。
ここではAIチャットボットの特徴や利用方法について解説します。
ユーザーが求める回答をAIが判断
AIチャットボットの大きな特徴は、ユーザーの問い合わせ内容に対し、「キーワード一致」ではなく、文章全体の意味を理解して返答してくれる点です。
表記揺れや言い換え、あいまいな質問などもAIが内容を判断し、ユーザーが求める回答を返信してくれます。
想定外の質問が来た場合も「適切な回答がありません」と返答し、対応が止まることもありません。
ただし回答文をAIが作成するわけではなく、事前に登録したQ&Aのなかから、もっとも近い内容を選ぶ仕組みである点は注意が必要です。
手軽に導入できる
AIチャットボットの回答のもととなるQ&Aは、管理画面にアップロードしたPDFや画像の内容をAIが解析し、自動で作成できます。
すでに用意している資料を活用できるため、ゼロから入力する手間を省けるのが特徴です。
また、テンプレートやCSVを使った一括作成にも対応しており、多数のQ&Aを短時間で生成して、そのまま設定に反映することも可能です。
生成されたQ&Aは、あとから自由に追加・編集できるため、店舗や企業独自の質問を補足したり、ターゲットに合わせた表現に調整したりしながら、内容を徐々にブラッシュアップできます。
精度の向上も図れる
さらに、AIチャットボットでは、AIの回答に対するユーザーの評価を収集し、グラフで可視化することが可能です。
評価の低い回答を見直して改善を重ねることで、より精度の高い応答が実現でき、ユーザー対応の品質向上も図れます。
AIチャットボットと応答メッセージの違い
AIチャットボットと似た機能として、LINE公式アカウントには以前から「応答メッセージ」があります。
応答メッセージとAIチャットボットは、いずれも顧客対応に活用できますが、両者は次の点で大きく異なります。
| 機能 | 応答メッセージ | AIチャットボット |
| 仕組み | キーワード完全一致で返信する | 質問文の意味をAIが解析し最適な回答を選択してくれる |
| 機能の柔軟性 | 言い換え・あいまいな表現は苦手 | 表記揺れ・類義語にも対応 |
| 運用上の特徴 | 質問パターンを細かく設定する必要あり | Q&Aをまとめて登録すれば運用しやすい |
応答メッセージはキーワード完全一致で返信する機能なので、特定のキーワードに強いことが特徴です。
一方でAIチャットボットは、質問の意味をAIが解析してくれるため、ユーザーの自然な質問文にも対応できます。
なお、応答メッセージとAIチャットボットは併用が可能。「キャンペーンのキーワード反応は応答メッセージに任せる」「営業時間などのよくある質問はAIチャットボットに回答してもらう」など、使い分けて運用するのがおすすめです。
LINE公式アカウントの応答メッセージについては、以下の記事で詳しく解説しています。AIチャットボットとの併用で顧客満足度を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
AIチャットボットの設定方法
ここからは、AIチャットボット(β)の費用や設定手順を詳しく解説します。
正しいステップを踏むことで、AIがより正確にユーザーの質問に対応できるようになります。
月額制のチャットProオプションが必要
AIチャットボットを運用するには、月額3,000円(税別)の「チャットProオプション」への加入が必要となります。
ただし、未契約の状態でもQ&Aの作成や応答テストまでは利用できるため、これからAIチャットボットを導入したい運用者の方は、事前に準備を進めておくと良いでしょう。
利用開始手続きの方法
契約状況を確認したら、次にAIチャットボットの利用開始手続きを行います。
管理画面のサイドメニューから「自動応答」>「AIチャットボット(β)」を選択すると、注意事項が表示されます。

初回利用時は内容を確認し、同意のうえで「AIチャットボット(β)を利用」ボタンをクリック。
設定画面が開き、Q&A登録や応答テストが行えるようになります。
Q&Aを作成する
AIチャットボットが応答するためには、事前にQ&Aデータの登録が必要です。
ここで登録した内容が、AIが選択して返答する「回答の候補」となります。
Q&Aは多いほど対応できる質問の幅が広がるため、導入初期はよくある質問から順に登録するのがおすすめです。
Q&Aの作成方法には主に以下の3種類があります。
それぞれの設定方法について見ていきましょう。
個別作成
個別作成は、質問と回答を1件ずつ手動で登録する方法です。
内容を細かく調整しながら作成できるため、まずは少数の質問から始めたい場合に向いています。
複数作成(CSV)
複数作成(CSV)は、CSVファイルを使って大量のQ&Aを一括登録する方法です。
テンプレートに質問と回答を入力し、アップロードするだけでまとめて登録が可能。短時間で多くのQ&Aを準備したい場合に便利です。
自動生成
自動生成は、PDFや画像などの資料をアップロードすることで、AIが内容を解析し、Q&Aを自動生成できる機能です。
既存のFAQやマニュアルを活用したい場合には効率的でしょう。
応答テストを行う
Q&Aを登録したら、ユーザーが質問する場面を想定し、応答テストを行いましょう。
応答テストを通し、登録した質問へのAIの反応や、言い換え・表記違いへの対応、Q&Aにない質問への挙動などを確認します。
複数のパターンでテストすることで、改善するポイントが見えやすくなります。
Q&Aを修正する
テスト結果を見て、意図と異なる回答が返ってきた場合は、Q&Aの内容を修正します。
たとえば、質問例を追加したり、回答文をより具体的な表現に変えたりすることで、AIの判断精度を高めることが可能です。
また、「Q&A改善」機能を使えば、AI自身が改善案を提案してくれるため、どこを直せばよいか分からない場合でも調整しやすくなっています。
修正とテストを繰り返すことで、ユーザー対応の質を徐々に安定させていくとよいでしょう。
運用開始後もQ&Aの追加・改善を実施する
Q&Aの調整が完了したら、管理画面で「チャットの応答方法」を設定し、AIチャットボットを有効化します。
これで、実際にユーザーから届いたメッセージに対して、自動で応答が行われるようになります。
運用開始後も、定期的に応答内容を確認し、Q&Aの追加や改善を続けることが重要です。
改善を繰り返すほど、AIチャットボットは実運用に合った形へと最適化されていきます。
AIチャットボット運用の注意点
AIチャットボットは便利な機能ですが、より効果を発揮させるためには、いくつかの運用上の注意点を抑えておく必要があります。
ここではAIチャットボット運用上の注意点を解説します。
以下の点を意識するかどうかで、応答精度に大きな差が出るので、AIチャットボットを顧客対応に活用したい方は、チェックしておいてください。
Q&Aは細かく分ける
AIチャットボットの精度を高めるうえで重要なのが、Q&Aを細かく分けて登録することです。
ひとつの質問に複数の回答をまとめてしまうと、AIがどの質問に対してどれを返答すべきか判断しづらくなります。
基本は「ひとつの質問につきひとつの回答」を登録しておくこと。
似た内容でも、微妙にニュアンスが異なる質問は分けて登録しておくことで、より正確な応答が期待できます。
よくある質問から優先して登録する
Q&Aを登録する際は、まずユーザーから頻繁に寄せられる質問を整理しましょう。
問い合わせ数の多い項目から順にQ&Aを作成することで、導入直後でも効果を実感しやすくなります。
ユーザーにとっても、知りたい情報にすぐたどり着けるため、AIチャットボットの導入当初から、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
定期的に分析し改善を続ける
AIチャットボットは、一度設定したら終わりではありません。
分析画面では、「どんな質問が多いか」「AIがどのように回答しているか」を確認できます。
ユーザーの意図と違う回答を返している場合は、Q&Aを修正したり、新しい質問を追加したりして調整するようにしましょう。
とくに運用初期は、こまめな改善を行うことで、短期間でも応答精度の向上が見込めます。
AIチャットボットの活用例
AIチャットボットは、業種を問わずさまざまなシーンで活用されています。
ここでは、代表的な業種ごとの活用例を紹介します。
飲食店
飲食店では、営業時間や定休日、予約の可否、アレルギー対応などの問い合わせが日常的に寄せられます。
これらの質問は内容がある程度決まっているため、AIチャットボットによる自動対応と非常に相性が良い分野です。
営業時間外でも即時に回答できるため、ユーザー満足度の向上も期待できるでしょう。
美容室・サロン
美容室やサロンでは、予約方法やキャンセル規定、施術メニューや料金についての事前問い合わせが多くあります。
AIチャットボットを導入することで、ユーザーは知りたい情報をすぐに確認でき、予約率アップにも貢献します。
また、問い合わせ対応の手間が減るため、スタッフが施術に集中できる点も大きなメリットです。
小売店・百貨店
小売店・百貨店では、駐車場に関する案内や取り扱いブランド、セール情報などの問い合わせにもAIチャットボットを活用できます。
電話応対などがむずかしい混雑時でも、スムーズにユーザーに情報提供が可能です。
さらに店舗数が多い企業などでは、スタッフごとの回答が異なるような事態を防げ、案内内容の統一にも役立ちます。
施設・ジム
各イベント施設やジム、フィットネスなどでは、AIチャットボットを入会手続きや体験予約、料金プランの案内などに活用できます。
AIチャットボットを導入すれば顧客への24時間対応も可能。
ユーザーは興味を持ったタイミングで案内を受けられ、結果的に入会率向上なども期待できるでしょう。
まとめ|LINE公式アカウントのAIチャットボットを活用して問い合わせ対応を自動化しよう
本記事では、LINE公式アカウントのAIチャットボット機能について解説しました。
AIチャットボットは、これまでの応答メッセージでは対応しきれなかった「自然な質問への自動応答」を実現できる新しい機能です。
Q&Aを追加していくことで対応範囲は広がり、ユーザーにとってもスムーズでストレスの少ない案内が可能になります。
とくに、飲食店や美容サロン、店舗、施設など、定型的な問い合わせが多い業種では、大きな効果を発揮します。
- LINE公式アカウントのAIチャットボットは、自然な言い回しの質問にも対応できる新機能
- 質問内容をAIが理解し、登録したQ&Aに基づいて最適な回答を自動で返す
- Q&Aを追加するほど対応範囲が広がり、ユーザー満足度向上につながる
- 従来の応答メッセージ・チャット機能と組み合わせて利用可能
- 飲食店、美容サロン、店舗、施設など定型質問が多い業種ととくに相性が良い
- 運用のポイントは「Q&Aの細分化」「よくある質問からの登録」「定期的な改善」を行うこと
さらに、LINE公式アカウントをより効果的に活用したい場合は、AIチャットボットに加え、L Message(エルメ)の併用もおすすめです。
AIチャットボットで問い合わせ対応の負担を減らしつつ、エルメで予約や決済、配信までを完結させることで、LINE公式アカウントを「効率的な集客・運用ツール」として最大限活用できます。
エルメは初期費用・月額費用0円から利用できるので、この機会にぜひ導入を検討してみてください。






