「学生への連絡手段をもっと効率化したい」
「受験生への情報発信を強化して志願者数を増やしたい」
「LINE公式アカウントを大学で導入したいが、具体的な活用方法がわからない」
このようなお悩みを抱える大学職員の方も多いのではないでしょうか。
LINEは、月間利用者が約9,900万人(2025年6月末時点)にのぼり、多くの人に毎日利用されているツールです。学生にとって最も身近なコミュニケーションツールを大学運営に活用することで、情報伝達の効率化やコスト削減、学生満足度の向上を両立できます。
LINE公式アカウントを活用すると、受験生への入試情報配信、在学生への授業変更通知、保護者への学内ニュース配信などがLINE上で完結。従来の紙による配布やメール配信と比較しても高い開封率が期待できるでしょう。
本記事では、大学におけるLINE公式アカウントの導入メリットから具体的な活用方法、運用課題の解決策まで詳しく解説します。
- 大学がLINE公式アカウントを導入する具体的なメリット
- 受験生・在学生・保護者への効果的な活用方法
- 運用課題を解決する拡張ツールの活用法
LINE公式アカウントの導入を検討している大学職員の方は、ぜひ参考にしてください。
大学がLINE公式アカウントを導入するメリット
大学がLINE公式アカウントを導入することで得られるメリットは次の通りです。
1つずつ詳しく解説します。
無料から始められる導入ハードルの低さ
LINE公式アカウントの最大の魅力は、導入ハードルの低さです。
開設から運用まで費用がかからず、パソコンまたはスマートフォンがあれば即座に始められます。無料のコミュニケーションプランでは月200通までメッセージを配信でき、有料プランと同等の豊富な機能をすべて利用可能です。
予算確保が困難な大学でも気軽に導入でき、効果を実感してから有料プランへの移行を検討できるため、リスクを最小限に抑えて運用できるでしょう。
無料プランと有料プランの違いについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
ペーパーレス化で印刷・配布コストを削減
大学では日常的に膨大な量の紙資料を印刷・配布しており、そのコストが大きな負担となっています。
授業変更や休講を知らせる掲示物、イベント案内のポスターやチラシ、各種手続きの案内文書など、日々発生する印刷物は相当な量でしょう。
そこで、LINE公式アカウントを活用すれば、これらの情報をデジタル化して配信が可能です。紙の掲示に頼らず学生のスマホに直接通知を届けられるため、見落としも防げるでしょう。
また、イベント案内や手続きガイドなどをPDFで配信すれば、内容に変更があった場合も差し替え通知を送るだけで対応できます。
ペーパーレス化は、環境負荷の軽減にもつながり、SDGsの観点からも価値の高い取り組みといえます。
日常的に使うツールで親和性が高い
LINEは若年層を中心に圧倒的な普及率を誇り、多くの大学生が毎日利用しているアプリです。
学生にとって最も身近なコミュニケーションツールの一つであるため、大学からの連絡も自然に確認してもらえます。とくに中高生世代はメールを読まない傾向が強く、従来のメール配信では開封率20%程度ですが、LINEなら60%以上の高い開封率が期待できるでしょう。
また、24時間いつでもメッセージの送受信が可能で、学生からの相談や質問にもリアルタイムで対応できるため、学生サポートの質の向上にも大きく寄与します。
大学におけるLINE公式アカウント活用方法
ここでは、大学におけるLINE公式アカウントの効果的な活用方法をご紹介します。
それぞれの活用シーンを詳しく解説しますので、ぜひ運用の参考にしてください。
受験生への入試広報やオープンキャンパスの告知
受験生への情報発信において、LINEは非常に効果的な伝達方法の一つです。
LINE公式アカウントから入試日程や出願情報、オープンキャンパスの案内などを即座に配信できます。このとき、資料請求者や模試参加者などにターゲットを絞った配信をすれば、さらに効率的なアプローチも可能です。
また、LINE公式アカウントの画面下部に常に表示されるリッチメニューを設定すれば、キャンパスマップやイベントスケジュールなどの情報に、受験生がいつでも簡単にアクセスできるようになります。

さらに、よくある質問への自動返信機能を設定しておけば、「出願方法は?」「入試日程は?」といった質問に24時間いつでも自動で回答できるため、受験生を待たせずサポートできます。
在学生への授業変更・キャリア支援情報の配信
在学生向けの情報配信では、迅速性と確実性が何より重要です。
授業変更や休講情報をプッシュ通知でリアルタイムに配信することで、学生の混乱を最小限に抑えられます。
とくに台風や地震などの災害発生時には、安全確認や授業実施可否の緊急連絡をタイムリーに連絡できるため、従来の掲示板や一斉メールよりもすばやい情報伝達ができるでしょう。
また、キャリア支援イベントの案内についても、学年や学部別に絞り込み配信することで、対象学生に確実に情報を届けられます。
さらに、個別相談の予約受付や就職活動に関する質問対応など、双方向のコミュニケーションツールとしても活用でき、学生生活全般のサポート体制を強化できるでしょう。
卒業生・保護者への情報発信や関係強化
大学と卒業生・保護者との関係維持にも、LINEは非常に有効な手段です。
同窓会イベントや寄付活動の告知を即座に配信でき、従来のダイレクトメールと比較して高い到達率とコストパフォーマンスを実現できます。
保護者向けには、学内ニュースや就職支援情報、学生の学習成果などを定期的に配信することで、大学への理解と信頼を深められるでしょう。また、卒業生には大学の最新情報や研究成果、著名な講演会の案内などを配信し、母校との絆を維持強化できます。
リッチメニューを活用して寄付ページへの導線を設置したり、大学グッズの販売情報を掲載することで、継続的な支援活動への参加も促進できるでしょう。
このように卒業後も大学との関係性を維持することで、大学ブランドの向上にも大きく貢献します。
実際の大学でのLINE公式アカウント活用事例
多くの大学がLINE公式アカウントを導入し、それぞれの特色を活かした運用を展開しています。
ここでは、実際にLINE公式アカウントを効果的に活用している代表的な大学の事例をピックアップしました。
- 近畿大学
- 松山大学
- 明治大学
各大学の具体的な取り組みや工夫点を詳しく解説しますので、自校での導入・運用の参考にしてください。
近畿大学

全国有数の学生数を誇る近畿大学では、LINE公式アカウントを通じて受験生・在学生を幅広くサポートしています。
近畿大学のアカウントは入試情報や資料請求、オープンキャンパスに関する情報を発信し、受験生が必要な情報にアクセスしやすい仕組みが特徴です。また、オープンキャンパス参加者限定のクーポン配布によりイベント参加促進を図っており、入試関連イベントの案内配信も積極的に行っています。
とくに注目すべきは、タブ付きリッチメニューの活用です。オープンキャンパス情報、入試対策、公式SNSへのアクセスなど多彩な情報をわかりやすく整理することで、受験生にとって使いやすいインターフェースを実現しています。
受験生支援への積極的な取り組みが印象的な事例といえるでしょう。
松山大学

松山大学では、受験生への情報発信を中心にしたLINE公式アカウント運用を行っています。
配信内容は、大学生活の様子や入試情報といった受験生に役立つコンテンツが中心です。とくにリッチメニューを活用し、公式ホームページ・入試情報サイト・オープンキャンパス情報、さらにXやInstagram、YouTubeといった公式SNSへワンタップでアクセスできる導線を整備しているのが特徴です。
これにより、受験生は必要な情報をスムーズに取得できるだけでなく、大学の雰囲気や最新情報にも触れやすくなっています。
明治大学

明治大学では、エンターテイメント性と機能性を兼ね備えたLINE公式アカウント運用を展開しています。
最大の特徴は、登録時に利用できる「友だち設定」機能です。学年・志望学部・居住地域などを入力すると、その情報をもとにパーソナライズされたメッセージが届き、利用者一人ひとりに合わせた情報配信を可能にしています。
また、リッチメニューからは入試情報やイベント情報、資料請求、オープンキャンパス、各種SNSなどへワンタップでアクセスできるようになっており、受験生が必要な情報を簡単に入手できる仕組みです。
さらに、シークレットコマンドやクイズ形式など遊び感覚で大学を知れる仕掛けや、オリジナルグッズプレゼントやシークレットキャンペーンで参加意欲を高めています。
そして、LINE VOOMを通じて日常の様子を発信し、大学を身近に感じられる工夫も行っているのが特徴です。
大学職員が直面するLINE公式アカウント運用の課題
LINE公式アカウントの導入効果は高い一方で、実際の運用現場ではさまざまな課題に直面するケースも少なくありません。
とくに大学という多くの関係者を抱える組織では、一般企業とは異なる次のような課題が存在します。
現場の大学職員が経験する課題を1つずつ詳しく解説します。
対象が多岐にわたり絞り込み配信が複雑
大学のLINE公式アカウントでは、受験生、在学生、保護者、卒業生などとても多くの対象者への配信が必要となり、配信先の絞り込み設定(セグメント管理)が非常に複雑になります。
同じ奨学金情報でも、新入生には基本的な申請方法、上級生には継続手続きの詳細、保護者には制度概要と家計への影響を重点的に伝える必要があります。
また、学部・学科ごとに異なる履修要項や実習スケジュール、就職活動支援情報など、セグメントによって配信内容を大幅に変更しなければなりません。
しかし、配信対象別のメッセージテンプレートを事前に作成したり、チェックリストを活用したりするなど、配信前の確認作業を標準化することで、作業効率は大幅に改善できます。また、最初は主要な対象者(受験生と在学生)から始めて段階的に運用を拡大するなど、無理のない範囲でスタートすることも重要です。
さらに、担当者間での役割分担を明確にし、各部署の専門知識を活かした分業体制を構築すれば、配信ミスのリスクを抑えられます。
より高度な振り分けが必要な場合は、拡張ツールの自動タグ付け機能を活用することで、この複雑な作業を大幅に効率化することも可能です。
問い合わせ件数が多く人手での対応が困難
LINE公式アカウント導入後、学生からの問い合わせが大幅に増加し、対応業務が職員の負担となるケースが考えられます。
とくに出願時期には、出願方法や必要書類に関する質問、新学期には履修登録や授業変更の確認、年度末には奨学金や進路に関する相談が集中し、担当職員が本来の業務を圧迫される事態が生じるでしょう。
従来の窓口対応と比較して、LINEでは24時間いつでも質問が送られてくるため、対応時間の区切りが曖昧になりがちです。
このような場合、よくある質問をまとめたFAQの作成や、チャットボット機能を備えた拡張ツールによる自動応答の設定により、この負担は大幅に軽減できます。また、同じような質問が何度も寄せられる場合は、事前の情報提供を改善することで質問自体を減らすことも可能です。
とくに少人数で運営している部署では、対応時間の明確化や担当者のローテーション制導入など、運用ルールを工夫することが重要でしょう。
学生数が多く配信コストが増大
大学特有の課題として、数万人規模の学生を抱える場合の配信コスト増大が考えられます。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費(税別) | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ料金 | 不可 | 不可 | 〜3円/通 |
LINE公式アカウントの無料プランでは月200通までしか配信できないため、大規模な大学では有料プランへの移行が必要となるでしょう。
また、月額15,000円のスタンダードプランでも無料メッセージは月30,000通までの制限があり、全学生への定期的な情報配信を行うには追加料金が発生する可能性があります。
配信コストを抑えるには、配信対象を適切に絞り込むことが重要です。必要な人に必要な情報だけを届ければ、不必要なメッセージ配信を削減し、効率的な運用が可能になります。
とくに緊急時の一斉配信や重要な手続き案内など、全学生に確実に届けたい情報がある場合も、事前の情報整理と配信計画により配信通数を最適化できるでしょう。
また、アカウント開設初期は小規模で始めて効果を確認してから拡大したり、他の連絡手段との使い分けを明確にしたりすれば、予算に応じた運用ができます。
より効率的な配信管理が必要な場合は、拡張ツールによる高度なセグメント機能を活用することで、コストを最適化しながら効果を最大化することも可能です。
効果測定がしにくく広報施策の改善に繋がりにくい
LINE公式アカウントの分析機能では開封率やクリック率などの基本的な指標は確認できるものの、最終的な成果である出願数の増加や入学者の確保との関係を明確に把握することが困難です。
たとえば、オープンキャンパスの告知メッセージが高い開封率を記録しても、実際の参加者数や参加者の出願率との関連性は不透明でしょう。
このような課題に対しては、他部署との連携により入学者データとLINE経由の情報を照合したり、アンケート機能を活用して情報入手経路を調査するなどの工夫が必要になります。拡張ツールの高度な分析機能を使えば、より効率よく精密な効果測定が実現できるでしょう。
また、複数の広報チャネルを並行して運用している場合も、LINE専用の申込フォームを作成するなど、LINE経由の効果を単独で測定できる仕組みが効果的です。測定可能な指標を事前に把握し、入試課や学生課との情報共有体制を整えましょう。
拡張ツールで大学のLINE公式アカウントがさらに効果的に
先ほど紹介した課題の多くは、L Message(エルメ)などの拡張ツールを活用することで解決可能です。
ここでは、拡張ツールの主要機能をご紹介し、大学特有のニーズにどのように応えられるかを解説します。
- 高度な絞り込み配信
- 細かいステップ配信(シナリオ配信)
- 自動応答・チャットボット
- 効果測定・データ管理
それぞれの機能を詳しく解説しますので、効率的な運用の実現にお役立てください。
また、以下の記事ではさまざまな拡張ツールの比較を行っています。拡張ツールにはL Message(エルメ)のほか、LステップやLinyなどもありますので、機能や費用、サポート体制を比較し最適なツールを選びましょう。
高度な絞り込み配信
拡張ツールの最大の魅力は、学部・学年・志望分野別の自動タグ付けや詳細な振り分け機能があることです。
L Message(エルメ)では友だち追加時のアンケート回答に基づいて自動的に学生情報を作成できます。受験生には入試情報、在学生には履修関連情報といった形で、それぞれに最適な情報の配信が可能です。
さらに、必要な人にのみ必要なメッセージを配信することでメッセージ配信数を必要最小限に抑えられ、料金プランの節約にも役立ちます。
これにより、先ほど課題として挙げた複雑な絞り込み管理が大幅に簡素化され、職員の作業負担軽減、配信精度の向上、料金プランの節約といった複数の課題解決が可能に。
また、自動振り分けにより、「工学部の学生に文学部の情報を送ってしまう」「1年生向けの案内を4年生にも送ってしまう」といった誤配信のリスクも最小限に抑えられます。
セグメント配信ツールについて、詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。より詳しいメリットや選び方のポイントについて解説しています。
細かいステップ配信(シナリオ配信)
拡張ツールでは、資料請求から入学手続きまでの一連の流れを段階的に自動配信するステップ配信機能が利用できます。
たとえば、資料請求者には翌日にお礼メッセージ、3日後にオープンキャンパス案内、1週間後に説明会情報、出願時期には手続きガイドといった形で、タイミングに応じた最適な情報の自動送信が可能です。
L Message(エルメ)などのステップ配信機能を活用すれば、受験生の検討段階に合わせたきめ細かなフォローが可能になり、出願率向上に直結します。また、在学生向けには履修登録時期に合わせた手続きガイドや奨学金申請のリマインドなど、重要な手続きの抜け漏れ防止も実現できるでしょう。
以下で紹介しているステップ配信ツールの比較記事を参考に、自校に最適なツールを選択することで、業務の自動化と学生サービス向上を両立できます。
自動応答・チャットボット
大学に寄せられる問い合わせの多くは、出願方法や入試日程、授業変更通知など定型的な内容です。LINE公式アカウントの標準機能でも自動応答は可能ですが、設定したキーワードと完全に一致しないと反応しないため、「出願方法」と設定しても「出願のやり方」では反応しないなどの制約があります。
しかし、拡張ツールのチャットボット機能を活用すれば、より柔軟な自動応答が可能です。これらのよくある質問に24時間自動で回答でき、職員の負担を大幅に軽減できるでしょう。
L Message(エルメ)では、あらかじめ設定したキーワードに基づく自動応答機能や、フォーム機能と組み合わせた問い合わせ対応が可能です。
また、よくある質問の傾向を分析することで、学生が困りやすいポイントを把握でき、事前の情報提供改善にも活用可能です。
効果測定・データ管理
拡張ツールを使えば、標準のLINE公式アカウントでは困難だった詳細な効果測定が可能になります。
L Message(エルメ)なら、URL分析機能で開封率やタップ率を測定でき、コンバージョン機能やクロス分析で複数データの詳細な分析ができます。
これにより従来は感覚的だった広報活動を客観的データで評価でき、データ分析に基づいた予算配分や施策の改善が実現できます。
LINE公式アカウントの標準で使えるデータ分析機能については、以下の記事を参照してください。標準機能で不足を感じる場合は、拡張ツールの検討をおすすめします。
まとめ|大学でLINE公式アカウントを運用して効率化しよう
本記事では、大学におけるLINE公式アカウントの導入メリットから具体的な活用方法、現場の課題と解決策まで詳しく解説しました。
- LINE公式アカウントは無料から導入でき、ペーパーレス化と学生との高い親和性が主なメリット
- 受験生、在学生、保護者・卒業生への情報発信に幅広く活用可能
- 運用の際の課題は拡張ツールの導入により解決できる
大学でのLINE公式アカウント運用は、学生サービスの向上と業務効率化を同時に実現する有効な手段です。
さらに効果を高めたい方には、LINE公式アカウントの拡張ツール「L Message(エルメ)」の活用をおすすめします。
L Message(エルメ)は、初期費用・月額費用0円から利用可能で、高度なセグメント配信、自動応答機能、詳細な効果測定までを実現できます。また、予約システムや決済機能なども備えており、大学特有のニーズに幅広く対応します。
運用効率の向上と学生満足度の両立を叶えたい大学職員の方は、ぜひこの機会にL Message(エルメ)の導入をご検討ください。