2025年11月17日にリリースされた「LINEタッチ」は、専用のNFCタグにスマホをかざすだけで、LINE公式アカウントやミニアプリ、クーポンなどに即時アクセスできる新しい導線機能です。
QRコードよりも操作ステップが少なく、来店者の途中離脱を防げる点から、多くの店舗・サービス事業者が注目しています。
さらに、不正利用の防止やユーザーデータの取得にも対応しており、LINE公式アカウントの活用効果をより高められるのが特徴です。
本記事では、LINEタッチの概要から、3つのメリット、導入手順、よくある質問までをわかりやすく解説します。
- LINEタッチの基本概要とできること
- LINEタッチを導入する3つのメリット
- LINEタッチの導入から設置までの一連の流れ
- 導入前に知っておきたい注意点とよくある質問
LINE公式アカウントの「LINEタッチ」とは?
LINEタッチは、店舗や施設に設置したNFCタグ※にスマートフォンを近づけるだけで、LINE公式アカウントやミニアプリへ瞬時にアクセスできる導線機能です。
ユーザー側はカメラを起動したり、QRコードを読み取る必要がなく、より直感的でスムーズに利用できます。
※NFCタグとは、近距離無線通信技術を使った小型の非接触ICチップのこと

NFCタグに触れた瞬間に、友だち追加画面やクーポン一覧、ショップカードなど、あらかじめ設定しておいたページに自動で遷移します。
そのため、店頭でのコミュニケーションを簡単にデジタル化できる点が特徴です。
LINE公式アカウントの概要や開設方法は以下の記事で詳しく解説しています。具体的な手順も動画で説明しているので、初心者の方はぜひチェックしてください。

LINEタッチの使い方
LINEタッチは、専用のNFCタグを設置し、そのタグにユーザーのスマホをかざしてもらうだけという、非常にシンプルな仕組みで動作します。
店舗の導線に合わせて、以下の2種類から設置方法を選択可能です。
- スタンドタイプ:レジ横や受付カウンターなどに設置。
- ステッカータイプ:テーブルや商品棚、ブースの壁面など、ユーザーが自然に触れやすい位置に貼り付け可能。

どちらもNFCタグが内蔵されており、利用シーンに合わせて柔軟に配置できます。
とくに、QRコードのような印刷物と違い、光の反射・読み取り距離・角度といった制限を受けにくい点もメリットです。
4つの遷移先コンテンツ
LINEタッチでは、タグに触れた際の遷移先を4種類から選択できます。
目的に合わせて設定すれば、LINE公式アカウントの活用幅を大きく広げられるでしょう。

- LINE公式アカウントのプロフィール表示
その場で友だち追加してもらえるほか、営業時間やメニューなどの基本情報にもアクセス可能。 - クーポンリストの表示
店頭限定クーポンの配布や新規来店者向けの特典案内に役立ち、購買行動につなげやすい。 - ショップカードの起動
ポイント付与をスムーズに行えるため、リピート促進の導線として活用しやすい。 - LINEミニアプリの任意ページ表示
モバイルオーダー、来店予約、チェックインなど、より高度な店舗体験を実現。
いずれも、ユーザーがスマホをかざすだけでアクセスできるため、店頭の体験をこれまでより手軽かつ快適にできます。
LINEタッチを導入する3つのメリット
LINEタッチを導入するメリットは、主に以下の3つです。
- 簡単かつスピーディで途中離脱されにくい
- 拡散による不正利用を防止できる
- ユーザーデータを活用できる
簡単かつスピーディで途中離脱されにくい
| QRコード | LINEタッチ | |
|---|---|---|
| 手順 | ロック解除 → カメラ起動 → ピント合わせ → 読み取り | NFCタグにかざすだけ |
| 所要時間の目安 | 約15秒 | 約5秒 |
| 必要な操作 | カメラアプリの操作 | 端末を近づけるだけ |
LINEタッチの最大の強みは、ユーザーの行動負荷を圧倒的に減らせる点にあります。
従来のQRコードでは、
- スマホのロック解除
- カメラアプリを起動
- QRコードにピントを合わせる
- 読み取り完了
といった“4ステップ・約15秒”が必要でした。
一方、LINEタッチは、
- NFCタグにスマホをかざす
- 即時遷移
という“2ステップ・約5秒”で完了。
操作が単純なほど離脱率が低くなり、店頭での友だち追加率・ショップカード利用率・クーポン利用率が大きく向上します。とくに、来店のタイミングを逃したくない飲食店やサロンでは成果が出やすい導線です。
拡散による不正利用を防止できる
QRコードの弱点は、写真を撮られてSNSで拡散されてしまうリスクがある点です。
本来「来店した人限定」で配りたいクーポンが、意図しない人に共有されてしまうケースは珍しくありません。
しかしLINEタッチなら、NFCタグのみ有効化し、QRコードを無効化できるオプションが用意されています。
これにより、
- 店舗に来た人だけにキャンペーンを提供
- 想定外のクーポン乱用を防止
- 店舗側が安心して高価値の特典を配布できる
といったメリットがあります。
来店確認を確実に担保できるため、従来よりも一歩踏み込んだマーケティング施策が可能になるでしょう。
ユーザーデータを活用できる
LINEタッチは、単なる案内ツールではなく、マーケティングデータの取得源としても優秀です。
- LINEタッチ経由で追加された友だちが「専用経路」として記録される
- 店舗の場所ごとにタッチデータを計測できる
といったように、ユーザーの行動データを分析しやすくなります。
より効率的なデータ活用をしたい場合は、無料で使えるLINE公式アカウントの拡張ツール「L Message(エルメ)」との併用もおすすめです。分析やメッセージの自動化を簡単に行えます。
機能や料金プランの詳細は、L Message(エルメ)公式サイトからご確認ください。
LINEタッチを導入する注意点とデメリット
LINEタッチを導入する前に知っておきたいポイントとデメリットは、主に以下の3つです。
- LINEアカウントのタイプによっては利用できない
- LINEタッチが使えないスマホもある
- LINEタッチの導入に初期費用がかかる
LINEアカウントのタイプによっては利用できない
LINEタッチを利用するには、LINE公式アカウントが「認証済みアカウント」であることが必須です。
認証にはLINEヤフー株式会社の審査があり、業種・事業内容・公式サイトの信頼性など、複数の基準でチェックされます。
LINE公式アカウントの透明性レポートによると、非承認件数は57,365件(2024年10月〜2025年3月)と、審査落ちするケースも少なくありません。
認証を受けるための具体的なチェックポイントは以下の記事でまとめているので、まだ未認証の場合は確認してみてください。

LINEタッチが使えないスマホもある
LINEタッチはNFCタグを利用するため、ユーザーのスマホがNFCに対応していることが前提となります。
対応機種は以下の通りです。
- iOS:iPhone XS/XR(2018年モデル以降)
- Android:現在販売されている多くの端末が対応(NFC設定をONにする必要あり)
もしNFCが使えない場合は、タグに印刷された代替QRコードを読み取れば同様の遷移が可能です。
LINEタッチの導入に初期費用がかかる
LINEタッチは無料ではなく、NFCタグの購入費用が発生します。
- スタンドタイプ:2,000円
- ステッカータイプ:300円
いずれも買い切りで、基本的に月額費用などはありません。
屋外での使用や頻繁に触れる場所で利用する場合は、破損や紛失に備えて追加購入を見込んでおくと安心です。
LINEタッチの設定方法
LINEタッチの利用を開始するには、まず管理画面の左メニューから「LINEタッチ」をクリックしてください。
利用規約を確認・同意のうえ「LINEタッチの利用を開始」のボタンを押せば、準備完了です。

LINEタッチには以下の利用条件があるので注意してください。
- LINE公式アカウントが認証済み
- アカウントの管理者権限を持つ
※NFCタグのLINE公式アカウントへの登録には管理アプリが必要です。
LINEタッチを利用するための設定手順は、次の4ステップで完了します。
① 製品タイプを選んでNFCタグを購入する
製品タイプには、スタンド型(店頭に置くタイプ)とステッカー型(テーブルや棚に貼るタイプ)の2種類があります。利用シーンに合わせてタグの形状を選びましょう。
| タイプ | 主な設置場所 | 料金(税別) | 向いているシーン |
|---|---|---|---|
| スタンドタイプ | レジ前・受付カウンター | 2,000円 | 会計時に友だち追加を促したい店舗 |
| ステッカータイプ | テーブル・棚・ブース壁面 | 300円 | 各席で注文・ポイント付与をしたい飲食店 |
ユーザーが“自然に手を伸ばす場所”を起点に選ぶとタッチ率が大きく変わります。
② NFCタグで実行させたいアクションを設定する
NFCタグを読み取った際にどの画面へ遷移させるかを選びます。
選べるアクションは「プロフィール表示」「ショップカード」「クーポンリスト」「LINEミニアプリ」で、2,000件まで作成可能です。
ここで設定するアクションは、後から種類だけ変更することができません。
そのため、以下のような考え方で事前に整理しておくと失敗を避けられます。
- 初回来店 → プロフィールを開いて友だち追加
- リピーターの多い店 → ショップカードでポイント付与
- 予約制店舗 → LINEミニアプリの予約ページ
- 店内回遊を促したい → クーポンリスト表示
③ NFCタグをLINE公式アカウントに紐づける
スマートフォンの管理アプリから、購入したNFCタグをLINE公式アカウントに登録します。
複数店舗で利用する場合は、店舗ごとに分けて管理することも可能です。
NFCタグは、1つのLINE公式アカウントにつき最大5,000個まで追加可能。多店舗展開やテーブル単位の細かい運用にも対応できます。
また、削除したタグは必要に応じて再登録できるため、柔軟な運用が可能です。
④ 顧客接点となる場所に設置する
設定が完了したら、店頭・イベント会場・レジ前・各テーブル・受付カウンターなど、目的に応じてお客様がタッチしやすい場所に設置します。
気づいてもらいやすいように、POPや説明文を添えておくと、利用率アップに有効です。
なお、LINEタッチの詳しい設定方法はこちらの公式サイトで確認できます。

LINEタッチに関するよくある質問
LINEタッチに関するよくある質問を解説します。
タッチ後の動作はどの端末でも共通ですか?
iOSとAndroidでは、タッチ後の動作に少しだけ違いがあります。
どちらもスムーズに動作しますが、表示までの導線やポップアップ表示などが端末によって異なる仕様です。

LINEアプリが利用できない場合は?
利用者のスマホにLINEアプリが入っていない、またはバージョンが古く起動できない場合は、設定したアクション内容に応じてコンテンツページがブラウザで自動表示されます。
LINEアプリが必須ではないため、幅広いユーザーに利用してもらえる点で安心です。
LINEタッチの導入費用と継続費用は?
LINEタッチの導入コストはタグの購入代金のみです。月額費用や追加の運用チャージは発生しません。
用意されているNFCタグはスタンドタイプ(税別2,000円)とステッカータイプ(税別300円)の2種類。
いずれも買い切りのため、購入後は追加のランニングコストなしで継続利用できます。
専門的な工事やシステム構築は不要で、NFCタグを設置するだけですぐに利用可能な点は、とくに中小規模の店舗にとって大きなメリットです。
また、1つから導入できるため、まずは「レジ前だけで運用して効果を見る」といった小規模導入にも向いています。
反応が良ければ、テーブル席や入口付近など設置場所を増やしていくことで、段階的に活用範囲を広げられるのも嬉しいポイントです。
NFCタグの支払い方法は?
支払い方法は、代金引換(現金・クレジットカード・電子マネー)のみとなっています。
なお、注文確定後のキャンセルはできないため、購入個数は事前に確認しておきましょう。
まとめ|LINE公式アカウントのLINEタッチを活用しよう
本記事では、LINEタッチの概要から、3つのメリットとデメリット、導入手順、よくある質問までをわかりやすく解説しました。
- LINEタッチは、NFCタグにスマホをかざすだけでプロフィール・クーポン・ショップカード・ミニアプリに誘導できる新しい導線機能。
- QRコードより早く・簡単で、途中離脱や不正利用を防ぎながら、ユーザーデータの取得・分析にも活用できる。
- LINEタッチは初期費用のみで、基本的には継続コストがかからない導線なので、長期的に見てもコスパよく運用できる。
スマホをかざすだけで LINE公式アカウントやLINEミニアプリへ遷移できるLINEタッチは、店頭での友だち追加をはじめ、ショップカードのポイント付与やクーポン配布、モバイルオーダー導線などに活用できる新しい仕組みです。
従来のQRコードより操作がシンプルかつスピーディで、ユーザーの途中離脱を防ぎやすい点が大きな特徴といえます。また、QRコードの拡散による不正利用を抑えられるため、安心してキャンペーン施策に利用可能です。
こうしたメリットから、LINEタッチは、LINE公式アカウントを運用する飲食店やサロン、小売店舗など、幅広い業種で導入が進むと期待されています。
集客導線をさらに強化するなら、無料で使えるLINEアカウントの拡張ツール L Message(エルメ)との併用もおすすめです。
L Message(エルメ)を使えば、友だち追加後のステップ配信やタグ付けによる顧客管理、オーディエンス配信、アンケート・予約受付などをLINE公式アカウント上で効率よく行えます。
LINEタッチで獲得したユーザーを、その後の販促やリピーター施策につなげやすくなるのも大きな特徴です。
機能や料金プランの詳細は、L Message(エルメ)公式サイトからご確認ください。






