今回はLINE公式アカウントの基本設計編ということで、LINE公式アカウントに関する基本的な知識と運用ノウハウに関してお話をしていきます。
1. 基本情報
1.1 公式LINEは「〇〇」の解決ツール
公式LINEは事業課題の解決ツールと言われています。
たとえば
- 人件費の削減
- 商品の成約率UP
- 顧客単価の向上
- リピート率の改善
など。
これらは多くの事業者が抱える悩みですが、LINEを使えばこういった悩みや課題はほとんど解決できてしまいます。
というのも、LINE公式アカウントはリストマーケティングと呼ばれる手法ととても相性が良いからです。
このリストマーケティングというのは、お客様の連絡先を取得して、アプローチしていくマーケティング手法になります。
LINEが出てくる前は、電話番号やメールマガジンのリストを取得してアプローチしたり、お客様の住所を取得して、ポスティングなどで行っていました。
ですがLINEであれば、情報をダイレクトかつ継続的に届けることができます。
そんなLINEですが、以下のような強みを持っています。
(1) ほとんどの日本人が使っている

最新の情報によると、LINEは月間9200万人が利用しています。
ですからLINE公式アカウントさえ使っていれば、日本のほとんどの方にアプローチすることができます。
(2) 開封率が高い
LINEの開封率は大体60%と言われてますが、他の媒体に比べると遥かに高い数値となっています。
たとえばメールマガジンが大体20%と言われていますので、3倍くらいの数値となっています。
(3) 安価で幅広い機能が使える
LINE公式アカウントは無料で始めることができます。
初期費用も固定費もかかりません。
使えなければすぐに止めればいいので、非常にリスクが低いです。
さらに、利便性の高い機能が豊富に揃っています。
LINE公式アカウントの友だちになってもらえば、メッセージ配信やチャットもできるし、クーポンやショップカードといった販促物も活用可能です。
これら全てを無料で使うことができるなんて、こんな良いツールは他にありません。
1.2 情報収集
導入にあたりまずやっていただきたいことは情報収集です。
自分で構築する前に、同じ業界業種の参考例を見ながら作った方が短期間で成果を出せます。
情報収集のやり方には、たとえば
- LINEを開いて検索窓をタップ。
- 「美容師」や「不動産」といった特定のキーワードや、地域名で検索を行う。
- 参考になりそうなアカウントを友だち追加していく。
こんな方法があります。
ちなみに友だちが増えると通知が多く来るようになりますので、プライベート用とビジネス用のLINEは分けるようにした方が良いでしょう。
また、不要なアカウントはブロックをしたり、トークフォルダの設定を行ってプライベートの友だちと事業関連を分けたりすることもオススメです。
他にはビジネス用にスマホをもう一台用意するというのもありです。
取得した参考アカウントは、URLをコピーしてgoogle スプレッドシートにまとめておけば、後から見返すことができます。
1.3 素材の準備
実際にLINE公式アカウントを構築する際には色々な素材が必要になります。
(1) 文字装飾
文章に関しては見やすいように、文章の間に線を入れたり、途中で絵文字を入れたり装飾することをオススメします。

(2) 画像
画像はフリー素材を上手く活用しましょう。「photoAC」は、完全無料で使うことができるフリー素材のサイトになりますので、覚えておいてください。

あとは有料にはなりますが、Adobe StockやPIXTAといったサイトで高品質の画像を入手することができます。
その他、人物だけを切り抜きたい場合は背景を削除出来るツールとして、remove.bgがありますので、こういったツールも上手く活用してみてください。
(3) アイコン
アイコンというのは、リッチメニューなどを作る際に、予約のマーク、スタッフの表示で結構使われることがあると思います。
こちらは先ほど紹介したphotoACに関連した「silhouetteAC」というサービスがオススメです。



(4) キャラクター
アカウントのメインキャラクターを用意しておくと、キャラクターと文章を合わせることにより見栄えが良いものになってきます。
こういったものはココナラなど外注サイトで発注すると、かんたんに作ってもらうことができます。

2. 初期設定
2.1 アカウント開設
LINE公式アカウントを開設するにあたって、開設方法は2つあります。
1つはご自身のLINEアカウントに紐付けする方法、もう1つは新しくメールアドレスで登録する方法です。
ただ、個人のLINEアカウントに紐付けしてしまうと、万が一その個人アカウントが消えてしまったとき、LINE公式アカウントにログインできなくなる危険性が出てしまいます。
なので基本的には新規にビジネスアカウントを作成していただき、公式アカウントを作るのがオススメです。
そうすることでパスワードの再発行もかんたんに行えますし、LINE Green Badgeなどと連携しやすくなります。
ただし、メッセージ配信が増えていき、プランを変更しなければならなくなった際には、個人のLINEと紐付けないと決済ができなくなるので注意が必要です。
2.2 認証済みアカウント
(1) アカウントタイプ

LINE公式アカウントには以下の3種類があります。
- 未認証アカウント (グレー)
- 認証済みアカウント (ネイビー)
- プレミアムアカウント (緑)
1700万ある公式アカウントのうち、8割くらいは「未認証アカウント」となっており、これはLINEから審査を受けていないor審査によりNGとなったアカウントです。
情報コンテンツビジネス(一般的に怪しい系のサービス)や、スピリチュアル系のアカウントだと審査を依頼した際にアカウントBANになる可能性があります。
しかしそれ以外であれば、審査を受けて「認証済みアカウント」にすることをオススメします。
ちなみに「プレミアムアカウント」は、認証済みアカウントの中でも特に優良なアカウントで、基本的には大企業が対象となるので特に気にする必要はありません。
(2) メリット
この認証済みアカウントですが、3つのメリットがあります。
① 友だちが増やしやすい
認証済みアカウントには友だちを増やしやすいという利点があります。
i)LINEアプリ内の検索対象
LINEアプリ内で検索した場合の検索結果に表示されるのは、認証済みアカウントのみです。
ii)「おすすめの公式アカウント」に掲載
他者のLINE公式アカウントがフリープランの場合、そのプロフィールの一番下に「おすすめの公式アカウント」として表示されます。
また、LINEトークの一番上にも表示されるので、未認証アカウントと比べて友だちが増えやすいという特徴があります。
iii)LINEPay決済連携
実店舗の方に関してはほぼ必須なものですが、お客様がLINEPayで決済をしたときに自動で友だち追加誘導の画面が立ち上がって、自然に友だち追加をしてもらうことができます。
iv)友だち追加広告

こちらはLINE特有の広告で、LINE Voomやニュースに掲載できる、友だち追加を目的とした広告になります。
利点としては低コスト(大体200円から300円くらい、安ければ100円以下)で友だち獲得できます。
たとえばエルメの広告経由での友だち追加の数ですが、1,770人増えており、トータルの費用としては451,844円かかっています。
この友だち追加の単価としては255円となり、低単価で多く獲得することができますので、是非友だち追加広告を活用していただきたいと思います。
② SEO対策になる
こちらはgoogleなどで検索された時に、検索結果に公式アカウントが表示されるようになります。
ですから、google検索結果から友だちが増えたりもします。
③ 信用度が高まる
自分のアカウントが未認証か認証済みかによって、見た目のアイコンの盾の色に違いが出ます。
未認証はグレーで、認証済みはネイビーっぽい色になります。
一般の人からすると、このグレーのアカウントに関しては怪しいという認識があり、警戒する方も一定数いるので、できる限り認証済みアカウントにした方が良いです。
(3) 必要なもの
認証済みアカウントを取得するにあたっては、基本的にホームページが必要になります。
企業であれば会社のホームページ、個人事業主であればお店のサービスページです。
「ホームページがないよ」という方については、第三者が運営するwebサイトでも代替できます。
店舗の方でこういったものに掲載していないという場合は、google ビジネスでかんたんに作成できるので、こちらを利用されるのもオススメです。
店舗がないオンラインの方は、WordpressのCocoonというテーマがあるので、それを活用していただくと、楽にwebサイトを作ることができます。
メンバーサイトにサイトの作り方を紹介していますので、こちらをご参考にしてください。
(4) 申請方法
申請に関しては、『アカウント開設時に申請』を選ぶか、『設定画面の情報公開』というところからリクエストすることができます。
申請の際には業種を選択し、申し込みタイプ(店舗など)を選んで、店舗/施設情報を入力して申請をします。
そうすると大体1週間くらいで審査の結果がメールで届きますので、結果を確認することができます。
(5) 注意事項
認証済みアカウントに関しての注意事項が3つあります。
① アカウントが削除される
これは本当に気を付けてください。
友だちが何千人といる状態でアカウントが削除されてしまうと大変なことになるので注意が必要です。
削除対象となる審査基準ですが、「LINE公式アカウントガイドライン」を必ず確認しましょう。
ガイドラインにも記載があるように、基本的に副業系や稼げる系といったコンテンツビジネスは、必ず儲かる・成功するなど科学的な根拠がありません。
ゆえに一般的に効果が認められていないサービスと判断され、審査に通らなかったり、削除されてしまう可能性があります。
LINE社のプラットフォームを使わせてもらう以上、LINE社のルールに則る必要があります。
審査基準については公式の案内ページを抑えておきましょう。
審査に通るか微妙だなと思った場合は、新規アカウントを別に作成して申請をしてみましょう。
LINE公式アカウントは1人何個でも作成することができるので、同じ名前、同じ業界でメインアカウントのコピーを新しく作って申請をします。
こちらが通ったら、メインアカウントも通ると判断できます。
既存のアカウントで既に友だちが多く削除のリスクを避けたい人は、友だちのいない新規のアカウントを作って申請すると良いでしょう。
② 審査に落ちる
原因としては、「情報が不十分であること」「アカウント名」の2点が考えられます。
情報が不十分というのは、具体的にはwebサイトに以下の内容が記載されていない場合です。
- 申請する会社、店舗、サービス名
- 住所
- 電話番号
- サービス内容
アカウント名に関して、「LINE株式会社」が行っていると思わせる名前や、個人名に関してはNGとなっています。
個人名については、LINEの規約上著名人のみOKとなっており、一般の方だと申請は通りません。
さらに『エステサロンという名前なのに飲食店のアカウント』といった申請したサービスに関連しない極端な名前の場合は、基本的に通らないです。
③ アカウント名に気を付ける
一度決めた名前は変えることができないので、「そのアカウント名で本当に良いのか」ということを事前に考えたうえで申請しましょう。
2.3 プレミアムID
プレミアムIDを取得すると、ご自身のアカウントをカスタマイズできるようになります。
たとえばIDの文字列を好きな英数字の文字列に変更することが可能です。
こちらは月間110円で取得することができるので、基本的に取得することをオススメします。
2.4 プロフィール
プロフィールは友だち追加する時に表示されるお客様が最初に見るページです。
「お店や自分の基本情報を確認できるLINE内のホームページ」と考えれば分かりやすいかと思います。
(1) アカウント設定
① 大前提
プロフィールに記載する情報はLINEの検索対象となるので、基本的な情報はしっかりと入れましょう。



② プロフィール画像
プロフィール画像に関するポイントは3つです。
i)顔写真
画像は代表者、店長等の顔写真にすることをオススメします。
よく店舗のロゴとか設定されている人が多いですが、基本的に小規模な業者さんは顔出しにしていただいた方が親しみやすく、そこから収益に繋がっていきやすい傾向にあります。
反対に、ブランドアイコンなどの場合はプロモーション臭が感じられ、閲覧されにくいです。
ii)笑顔
なるべく笑顔で映っている写真を載せる方が好感度が高くなります。
iii)ビジネスに関連するものと一緒に
閲覧してくれた方に覚えてもらうため、ご自身のビジネスに関連するものと一緒に映っていただくと良いでしょう。
たとえば、日本酒を売りにしている居酒屋さんだったら日本酒を持った画像にするなど。
写真がない場合に関しては、フリーランスのカメラマンに撮影してもらうこともできますので、クラウドワークスなどを活用して撮影してみてください。
③ アカウント名
アカウント名については、何をサービスとしているのか(何屋さんか)分かりやすくすると良いでしょう。
たとえば、エアコンに特化した家電屋さんだったら、「エアコン専門」などと設定すれば、より分かりやすいですね。
また、文字数は10文字以内がオススメです。
理由はチャットを開いたときに、アカウント名がしっかりと全文表示されるからです。
アカウント名が長いと、省略されてよく分からなくなってしまいます。
④ ステータスメッセージ
ステータスメッセージは、アカウントの下の方に表示されるメッセージです。
検索結果に表示されるので、しっかりと検索に引っかかるキーワード【業種、場所、店名(カタカナ/英語)】を設定していきましょう。
googleでキーワード検索をした時に、サジェストとして出てくるキーワードを取り入れて作るのがおすすめです。
(2) 情報の公開
認証済みアカウントの場合、全体公開されているか?位置情報は設定されているか?
この2点を確認してください。
全体公開に関しては、検索結果での表示やオススメアカウントとして「表示させる」ことや、web版プロフィールを設定してgoogleの検索結果に表示させる設定をしておきましょう。
(3) 掲載項目
プロフィールの掲載項目で主に使うのはコンテンツで、自由記述とアイテムリストというもので構成されます。
① 自由記述

自由記述では、たとえばプロフィールを見た人に対して友だち追加時のプレゼントを紹介することができます。
利用すると友だち追加のコンバージョンが高くなる傾向にありますので、しっかりと設定しましょう。
またアカウント紹介も自由に記述することができ、どんなお店なのか、スタッフの紹介、選ばれる理由といったものを記載できます。
② アイテムリスト
もう一つのアイテムリストでは、人気メニューの紹介やプロモーション情報、キャンペーン情報などを載せることが可能です。
また初心者ガイドなどの必見コンテンツや、スタッフ紹介、商品の人気ランキングなどもアイテムリストで作れます。
その他にも顧客獲得ツールとアカウント情報、サービスの取り組みといった情報も、それぞれ設定することができます。
3. 販促ツール
3.1 リッチメニュー
リッチメニューとはLINEのトーク画面下部に表示されるメニュー機能のことで、6分割の画面で表示されることが多いです。
お店の紹介や、メニュー、予約、よくある質問など、頻繁に使用される項目を案内することができます。

(1) メリット
リッチメニューに関するメリットは3つあります。
① 配信コストの削減

LINE公式アカウントは、メッセージ配信の数に応じて料金プランが変更されます。
フリープランでは月1,000通まで無料ですが、友だち250人に仮に週一回ずつメッセージ配信で丁度1000通となり、友だちが300人になるとライトプランに変更する必要が出てきます。
友だちが5000人を超えてくるとスタンダードプランへアップグレードしなければならないのですが、このスタンダードプランで月額16,500円払っても、月45,000通までしか配信することができません。
これ以上超える場合は、1通あたり追加で3円かかってくることになります。
仮に1万人に対して追加で配信すると1回あたり30,000円となるので、非常に大きな金額となってしまいます。
ですがリッチメニューを活用することで、配信しなくてもある程度の情報をお客様の方から取りに来てもらえるので、費用の削減につなげることが可能です。
また、配信数が多くなるとその分ブロック率も高くなるため、ブロック率の低下にも役立ちます。
② 反応率が高い
LINEのトーク画面に大きく表示されるため押してもらいやすく、非常に反応率が高いです。
ボタンを押すことで各種サイトに誘導ができるため、自分が見て欲しいサイトのリンクを設定しておくと良いでしょう。
③ お客様対応工数の削減
お客様からよく頂く質問などは、都度スタッフが対応するのではなく、よくある質問としてリッチメニューに表示します。
チャットボット形式で回答することで、対応工数の削減にもなります。
(2) どんな項目を入れる?
基本的な項目としては4つです。
① 常時アピールしたいこと
ご自身が取り扱っている商品のサービスメニューに関する項目です。
② 学び、遊びコンテンツ
ユーザーを教育するためのコンテンツ。
遊び感覚の診断や動画講座を通して、業種業界や商品に関する知識をつけてもらって、購買意欲を高めてもらうための項目です。
③ ユーザーの利便性
予約やクーポン情報、よくある質問といった、普段お客様から求められている項目です。
④ お問い合わせ・申し込み
こちらもお客様が普段必要としている項目です。
具体的な例としては、サービスメニュー、お店の紹介、アクセス、スタッフ紹介、予約、ショップカード、クーポン、お客様の声(口コミ)、Q&A、キャンペーン情報、電話といったものを載せると良いでしょう。
逆にリッチメニューには載せない方が良いものとしては、SNSやホームページになります。
LINE公式アカウントはクローズドの媒体なので、LINE内で完結した方がコンバージョンにつなげることができます。
外部サイトへ飛ばすのは離脱の機会を作ってしまうため、非常にもったいないです。
例として「Hair Alice」の公式アカウントを見て参考にしてみてください。
(3) 設定内容
リッチメニューの設定については、公式アカウント管理画面のメニュー左下にリッチメニューという項目があるので、そちらから各種設定を行っていきます。
① テンプレート
リッチメニューのサイズやレイアウトの設定が可能です。
サイズは大と小がありますが、基本的には大の6分割レイアウトを使っていくことになります。
ただし、お客様とチャットをするときに「大」だと見づらい、という場合は小サイズの3分割を使用すると良いでしょう。
② メニューバーのテキスト

リッチメニューの設定項目のところにメニューバーテキストという項目があります。
こちらでトークの下部に表示されているメニューバーのテキストを編集可能です。
表示するテキストの例としてはたとえば、チャットで質問などのやり取りができることを案内すると良いでしょう。
また、リッチメニューはタップで開け閉めができるということを、記号を使ったりして分かりやすいように設定するのもオススメです。
③ デフォルト表示
デフォルト表示では、リッチメニューを常時開いたままにしておくのか、それとも通常は閉じたままにしておくのかを設定します。
基本的には常時表示しておくように設定しましょう。
④ アクション
アクションとはリッチメニューをタップしたときの挙動になります。
たとえば、Aをタップしたら「Bというメッセージを自動返信する」などです。
i)設定方法
管理画面のコンテンツ設定でアクションという項目から色々と設定していきます。
テンプレートを選択で6分割を選択し画像をアップロードすると、分割された項目ごとにアルファベットが割り当てられ、それぞれアクションという項目で色々なアクションタイプの設定ができます。
ii)タイプ
選択可能なタイプについてはリンクやクーポン、テキスト、ショップカードなどが設定可能で、主にリンクやテキストをよく使用します。
iii)テキスト
テキストは色々と応用が可能で、たとえば自動応答と組み合わせれば、チャットボット形式で表示させることが可能です。
この機能を利用して、エルメのサービスと連携させながら予約の仕組みを構築することもできるので、お客様対応の自動化に役立てることができます。
iv)自動応答
自動応答は、特定のキーワードに対応して何かしらのコンテンツを流します。
通常の会話と区別するため【】でキーワードを設定しておくと便利です。
たとえばメニューのボタンを押したときに、【メニュー】というキーワードが表示される設定にしておけば、そこから自動応答でメニューを流すという風にチャットボットを作ることができます。
3.2 クーポン
クーポンは、LINEで発行できるデジタル券になります。

(1) メリット
LINEクーポンには主に3つのメリットがあります。
① 友だち獲得に役立つ
クーポンは友だち追加誘導のプレゼントとして活用できるので、実店舗ではこのクーポンは必須です。
「友だち追加してくれたら初回セールスは20%オフで利用できます。」という感じで利用します。
② かんたんに無料で作れる
クーポンというと紙のクーポンを思い浮かべる方も多いと思いますが、紙だとデザインや印刷、配達のコストなど、色々とコストがかかってきます。
対してLINEのデジタルクーポンだとそれらの一切の費用がかかりませんので、その点で非常に優れています。
③ 管理の手間がかからない
LINEクーポンはお客様ご自身の財布などで管理するものではなく、電子データとして保管することができます。
なので「紛失してしまった」などのトラブルが一切ありません。
お客様にとっても使い勝手が良いのです。
(2) 設定方法
クーポンに関しての設定方法をお伝えします。
① 内容作成
クーポンを作成する際には、
- どのタイミングで配布するのか
- どんな内容にするのか
を考える必要があります。
たとえば
- タイミング:初回来店時
- 内容:全品20%オフで購入できる
とか
- タイミング:アンケートに全問回答
- 内容:Amazonギフト券を抽選でプレゼントする
といった具合です。
もちろん、オンラインでビジネスをやっている場合でもクーポンは役に立ちます。
配るタイミングは新規の友だち追加時がベストで、登録のお礼としてプレゼントすると、反応率が高いです。
登録した瞬間は熱度が高いので、多くの方が受け取り、使用してくれます。
また既存の友だちに対しては、誕生日に送るとか、来店時や購入時に毎回配るといった様々なタイミングがあるので、色々とケースを考えて作成してみてください。
② LINE公式アカウントで作成
内容を決めたら、実際に公式アカウントの方で作成していきます。
クーポンに関しては、有効期限や写真、利用ガイド、使用のルールを設定します。
細かい設定は詳細設定の項目で行います。

i)抽選
抽選はよく使います。必ず当たるクーポンにしたい場合は、99%に設定しましょう。
99%にするとほぼ当選することになるのですが、ユーザーは「抽選で当たった」と高揚感を感じ、その勢いで商品を購入してくれるのでマーケティング的にもオススメです。
ii)公開設定
全体公開か友だちのみにするか設定します。
友だちのみの場合は、クーポン作成後にこのクーポンのリンクをSNSでシェアすることができなくなります。シェアできないと誰でもこのクーポンを使うということができなくなるので、全体公開にしておくことをオススメします。
iii)使用可能回数
使用可能回数は1回のみか上限なしを設定します。
iv)クーポンコード
通販などのwebサイトで購入したときにクーポンコードを入れることで使用してもらうことができます。
③ 設置
クーポンを作成したら、設置する箇所を設定しましょう。
たとえば、最初のあいさつメッセージ後やアンケート回答後、リッチメニュー、メッセージ配信後などの設定ができます。
3.3 ショップカード
ショップカードについては、よく使われる紙のポイントカードがあるかと思いますが、こちらのデジタル版となります。
来店ごとにQRコードを読み取っていって、ポイントを貯めていくような形になります。

(1) メリット
クーポン同様コストの削減、無料で作成可能なことが挙げられますが、それに加えて3つのメリットがあります。
① リピーターの獲得
ポイントを貯めた後に魅力的な特典をプレゼントすることで、再来店を促すことができます。
② LINE上で完結
ポイントの付与や管理、特典のお渡しなど、面倒な部分を全てLINE上で完結することができます。
③ 特典の通知
ショップカードはカード自体の有効期限や特典の有効期限を設定することができます。しかも、保有者に有効期限の通知をしてくれるので、お客様に気付いてもらいやすいです。
(2) 使い方
ショップカードの使い方について説明します。
① 特典MAPを用意する
どういった特典にするかをあらかじめ整理しておきます。
i)メンバーランクの設定
メンバーランクの設定をして、ポイントが貯まるごとにランクアップするように設定します。
またポイント数に応じたゴールを設定し、ゴール特典としてプレゼントを用意しておきましょう。
最初のゴール設定は3ポイントくらいに設定してハードルを下げた方が、途中の離脱を防ぐことができます。
3ポイント貯まった後については、そこで終わりではなく、ランクアップカードを設定します。
今度はゴールを20ポイントに設定して新たな特典を用意して来店を促すなど、うまく設計していきましょう。
◆ 実際の流れ
まず友だち登録後にリッチメニューなどでアナウンスをして、カードを取得してもらいます。
最初のカードは3ポイントで設定し、獲得することができたらプレゼントを渡して、その後に20ポイントくらいに設定したランクアップカードを渡すと良いと思います。
そこでゴールに到達したら、再び同じ20ポイントのカードを発行して1から貯めてもらうという形になります。
基本的にランクアップカードの特典については毎回受け取っても大丈夫な特典内容にされると良いでしょう。
「Hair Alice」の方では毎回このランクアップカードの特典については、20%割引クーポンを渡すような設計としています。
ii)ポイントの付与方法
ポイントの付与方法は主に「来店」、「LINEをチェック」、「購入金額」があります。
「LINEをチェック」という方法では、LINEを開いてボタンを毎日ぽちぽち押すだけでポイントが貯まるという仕組みを作ることも可能です。
なので、オンラインビジネスでも十分活用できます。
あとは1,000円毎に1ポイントを付与など、購入金額に応じてポイントを付与するという設定も可能ですが、基本的には来店時かLINEチェックで運用するケースが多いです。
iii)特典の種類
たとえばゴール特典として、50ポイントなら50ポイント全部を貯めたときに特典をプレゼントすると設定します。
一方で、全10ポイントのうち途中の5ポイント達成したときにも特典をプレゼントするという設定もできます。
iv)特典の内容
特典内容は自由に設定して良いですが、最初の特典は豪華にする必要があります。
最初に行動してもらわないと次につなげることができないため、初めは3ポイントと短めに設定して豪華な特典を用意し、何とかランクアップカードまでもっていくという設計にしましょう。
v)例
たとえば飲食店ですと、1枚目は3ポイントゴールでお会計から10%引きにして、2枚目は全20ポイント中5ポイント区切りにします。
そして5ポイント達成毎にデザート無料、グループ全員に1杯ドリンク無料、お会計から10%オフ、お会計から20%オフといった設計にします。
こういった特典の中身については、作り始める前にマインドマップである程度整理しておかないと設定を間違えてしまったりするので、事前にまとめておきましょう。
② ショップカード設定&公開

ショップカードの設定画面について説明します。
i)背景画像
こちらは右側のプレビューに出てくる長方形の幅のことで、設定しなくても良いです。
ii)デザイン
デザインについては好きなものを選んでもらって構いません。
iii)ゴールまでのポイント数、ゴール特典、ポイント特典
重要なのはこれらの設定です。最初はゴールを簡単にして、ゴール到達までに段階的に特典を設定したり、リピートしたくなるような特典を設定しましょう。
iv)有効期限
カードの有効期限をいつまでに設定するかです。
お店によっては最終利用日から1年とかで設定さえるところが多いと思いますが、1年はけっこう長いので、基本的には初回から3ヶ月など比較的直近に設定します。
v)有効期限の通知
有効期限の通知に関しては、2週間から1ヶ月前くらいの期間で良いでしょう。
vi)カード取得ボーナス
カードを取得したときに初めからポイントを付与するという設定ができますが、基本的には0ポイントで設定をします。
vii)ポイント取得制限
これは結構大事です。
「制限しない」に設定してしまうと、ポイント獲得した後またすぐに獲得できてしまうので、『同日中や指定時間内に同じお客様へのポイント付与を許可しない』という設定をする方がよいでしょう。
全ての項目を設定できたら、保存してランクアップカードを作成という項目を押して、2枚目のカードを作っていくという流れになります。
③ ポイント付与用URL取得&設置

ポイントの付与に関しては、設定画面から付与するためのQRコードをダウンロードし、Amazon等で売っている三角のポップなどに貼り付けると良いでしょう。
その他に、URLにすることもできます。
QRコード読み取り(QR Code Reader)というwebサービスを使います。
ダウンロードしたQRコードをこちらにアップロードするとURLとして変換されるので、そちらをリッチメニューなどに貼り付けることが可能になります。
ポイント付与の設置場所としては、リッチメニューに「1日1回限定でポイントが貯まります。」という感じで設置されると良いかと存じます。
(3) 注意点
ショップカードの注意点ですが、1度公開したら修正することができない仕様となっていますので、事前にある程度しっかり作り込んでから公開するようにしてください。
後から修正したくなっても何もできないということがありますので注意が必要です。
4. 顧客対応
4.1 前提
LINEにおける顧客対応の前提として
- 手動で行う
- 自動化する
を考える必要があります。
LINE公式アカウントにはチャット(手動)機能と応答メッセージ(自動)機能がありますが、これはどちらかしか選択することができません。(チャットと自動応答を併用して使うことができない。)
4.2 チャット

友だちとチャット欄で1対1のやり取りができる基本的な機能です。
テキストや画像、動画やスタンプといった様々なフォーマットでの送信ができます。
ちなみにチャットを使う際は管理画面に応答設定があるので、そちらで「応答モード」をBotかチャットに選択してください。
(1) メリット
チャットに関するメリットは次の4つです。
① スムーズにやり取りができる
お客様と普段のLINEと同じような使い方で問い合わせ対応などができます。
最近はメールやお問い合わせフォームは面倒だったり、電話はそもそも嫌だという方がいるので、そういう方には特に好まれます。
② 信頼関係の構築が可能
個別のやり取りを通してお客様との距離が近くなり、安心感を持ってもらうことで信頼関係の構築ができます。
③ 顧客管理ができる

チャット画面の右側にお客様の情報が表示されますが、ここでタグ付けを行ったり、ノートに情報を書き込むことができます。
i)表示名
LINE名は本名で登録されておらず誰か分からないことが多いです。
そんなときは表示名の横の鉛筆マークをクリックして、自由に表示名を変更することができます。
ii)タグ
お客様をカテゴライズしたり、セグメント配信といった特定の方のみにメッセージを配信する際の分岐に利用可能です。
タグ付けの種類には属性、担当者、商品の購入状況などがあります。
属性というのは、性別、年齢、誕生月、居住地、見込み客or既存客といったパーソナル情報のことです。
iii)ノート
ノートはユーザーの情報やメモとして使っていきます。
たとえば整体を例に挙げると、いつ来院して、どんな症状か、来院のペースは、スタッフ間で共有したいことなど。
こういった細かい情報をノートに記載することができます。
これがあると紙のカルテを作らなくても管理ができるので、非常に利便性が高いです。
④ 無料で使える
これらの機能は配信カウントの非対象となっているので、いくら使っても完全無料となっています。
(2) 注意点
チャットにおける注意点をお伝えします。
① チャットモードでしか使えない
上に挙げたようにチャットモードでしか使うことができず、自動応答と組み合わせて使うことができません。
② 手動でしかタグ付けできない
LINE公式アカウントでは手動入力でしかタグ付けができないので、そこが手間となっています。
因みにエルメを使うと、お客様のアンケートに合わせて自動でタグ付け設定ができます。
③ 友だちからアクションがないと連絡できない
友だち追加された時点では友だちの情報は出てこないので、連絡の取りようがありません。
友だちの方からスタンプやメッセージを送ってもらわないと、こちらのチャット欄に情報が表示されないことになります。
4.3 応答メッセージ

応答メッセージとは、友だちからメッセージを受信した際に、自動で返答ができる機能です。
返答するメッセージには様々な種類が利用でき、テキストや画像、動画、クーポンやカードタイプメッセージなどがあります。
こちらはキーワードとセットで返答する内容を設定するようになっています。
(1) 活用法
実際の活用方法です。
① プレゼント配布の自動化
こちらは
「〇〇とキーワードを送ってくれたらクーポンやノウハウのコンテンツをプレゼントします」
という風に、ユーザーから反応をもらって行動させることにより、その後の商品の購入などにつなげていく施策として使えます。
またプロモーション期限を設けて、期間限定でのプレゼントキャンペーンといった訴求をすることも可能です。
公式アカウントの管理画面で期間を設定します。
② チャットボット
応答メッセージに関しては、チャットボットで使用することが多いです。
リッチメニューとメッセージを組み合わせて活用していきます。
リッチメニューをタップしたらテキストが流れ、それに応答する形で何かしらのメッセージが自動で流れるという感じです。
具体的な設定の流れを説明します。
i)リッチメニュー
管理画面でリッチメニューを作成します。
ii)アクション設定
自動応答のキーワードを設定します。
その際テキストには【】を付けた方がチャットと区別が付きやすいので、必ず設定するようにしてください。
因みにエルメではこの【】がついているメッセージについては設定で、自動で「確認済み」にすることができます。
メッセージが貯まらずに済みますので非常に使い勝手は良いかと思います。
iii)自動応答の作成
【】付きメッセージに対して返答する内容を作成します。
(2) 注意点
応答メッセージに関して注意すべきことが2つあります。
① キーワードは「完全一致」が必須
LINE公式アカウントの応答メッセージは、キーワードが「完全一致」しないと使うことができず、部分一致では機能しません。
② チャットが使えない
チャットの項目でも述べたように、LINE公式アカウントでは応答メッセージとチャットは併用できません。
基本的にチャットボットを使うためにあるような機能という認識です。
ですがエルメを利用すると、応答メッセージとチャットの両方を使うことができるので非常に便利です。是非活用してください。
5. メッセージ

5.1 あいさつメッセージ
友だち追加してもらったときに流れるメッセージです。
登録時は一番反応率が高いので、このあいさつメッセージについてはしっかりと設定しましょう。
(1) ポイント
どういったメッセージが有効なのかポイントをお伝えします。
① 登録特典(プレゼント)をあげる
クーポンやサービスの無料体験、限定コンテンツといった特典をあいさつメッセージの際に渡します。
② 診断コンテンツ
〇〇アンケートや〇〇診断と称して、初めにお客様のパーソナル情報(性別・年齢・予算)や、お悩み興味関心といった情報を集めます。
③ 今後配信する内容
今後も読み続けたいと思わせるために、これから配信していく内容を伝えます。
④ 見やすく
i) 文字数

メッセージに関しては、スマホの画面におさまるくらい(200文字〜300文字程度)がちょうど良いとされています。
長いと面倒で見るのを止めてしまったり、ブロックの対象となってしまうことがあるので注意が必要です。
ii) 形式
<テキスト>
文字通りテキストメッセージを送ります。
<リッチメッセージ>


LP風に画像で伝えたいことを掲載できます。
<カードタイプメッセージ>

スライド風に配信ができます。
5.2 メッセージ配信
(1) 基本
メッセージ配信について説明します。
① メッセージ配信とは
i) 友だちにメッセージを届ける機能
管理画面のメッセージ配信の項目から設定でき、配信対象の絞り込みや、配信の予約もできます。
LINE公式アカウントでは、LINE VOOMといったタイムラインの方に投稿することも可能です。
ii) 様々な方法で配信可能
テキストや画像、音声、動画などを組み合わせて配信できます。
最大500文字×3枠(合計1,500文字)の設定ができますが、「あいさつメッセージ」の項目でお伝えした通り、テキストは200~300文字で作成します。
残りの枠は画像・音声・動画などのメディアを組み合わせ、『テキスト+メディア』の合計2枠で送ることが基本スタイルとなります。

② 5つのNOT
人間には5つの心理障壁というものがあり、メッセージを作成するときは、これらを意識する必要があります。
i) 開かない(NOT OPEN)
LINEの開封率は60%と高い方ではありますが、何も意識しないと開封率はどんどん落ちていきます。
<タイトルで「開く」という判断をさせる>
読者は、自分が送ったメッセージは「数ある内の1つ」でしかなく、どれを開くかをタイトルで直感的に選ぶ傾向があります。
なので「開いてもらうためにタイトルを工夫する!」というのはとても重要です。
ii) 読まない(NOT READ)
配信者は自分がせっかく作った文章なので、配信したら読まれると思っている人が多いです。
しかしほとんどの読者は流し見で、1文字1文字きちんと読んだりはしません。
<読ませる工夫が必要>
特に中高年の飲食店経営者の中には、文章が長くつながっているメッセージを送る方がいらっしゃいますが、これは非常に見づらいです。
こういう配信は読んでもらえず、ブロック率が増える原因となるので、読み手の立場になって作ってみましょう。
基本的には「読まないと損するよ」という内容を意識して、できる限り短い文章で作成してください。
iii) 信じない(NOT BELIEVE)
たとえどんなに良い情報であっても、基本的に読者は不安に思ったり、信じないことが多いと考えてください。
<実績や証拠>
信じてもらうためには実績や証拠といった具体的なデータを提示して、理解・共感をしてもらうことが重要です。
たとえば美容室だと『切る前と切った後でこれくらい変わりましたよ』というビフォーアフターを画像で送ります。
するとパッと見て「あ、こんなに変わるんだ」と思ってもらえるので、興味と信用度を一気に高めることが可能です。
iv) 行動しない(NOT ACT)
人はめんどくさがりなので、なかなか行動しません。
そこで、配信側でうまく行動するように仕向けることが大事です。
「何をして良いか分からない」とか、「後でいいや」となってしまうと、その後はもう見ることもなく、あなたのことも忘れてしまいます。
<行動させる仕掛け作りが重要>
●普段から反応させる
まずは普段から反応してもらうこと。
質問形式で、「〇〇さんはどっちだと思いますか?」や「AとBどちらか選んでください」「興味がある方はスタンプを押してください」など。
かんたんなことで良いので読者に反応を促し、自ら行動してもらうということが大切です。
●誘導を明確に
商品の購入や入会に関しては「購入はこちら」とか、「参加はこちら」といった誘導を明確にすることも大事です。
●限定性
ステップ配信で〇〇名様限定の数量限りといった具合で限定性を出します。
●緊急性
「〇日まで〇%引きで提供」という感じで緊急性を出します。
当たり前のように思うかもしれませんが、これらを意識するだけで収益が変わってきますので、しっかりとやっていきましょう。
v) 理解しない(NOT UNDERSTAND)
専門家の方は、つい専門的なワードを使ってしまったり、初心者には分かりづらい文章などを送ってしまいがちです。
しかしながら人は分からなければ見るのを止めて離脱してしまうので、理解しやすい文章を心掛けてください。
<分かりやすく>
図解を用いて理解しやすくする、小学生でも分かるような文章で送るなど、読者目線で内容を作成することが重要となります。
③ 3W1H
実際に配信する際に気を付けなければならないことをお伝えします。
メッセージ配信の要素としては「誰に?」「何を?」「いつ?」「どうやって?」送るかが基本的な組み合わせパターンとなります。
i) Who(誰に?)
メッセージを配信する際は、友だち全員に送るのか、特定の人に絞り込んで配信するのか、どちらか適切な方法を選んでください。
絞り込みに関しては、属性(フィルター)と、オーディエンスによる2種類の絞り込みがあります。
<属性>
こちらは友だちが100人以上からでないと使えません。
属性には「性別」・「年代」・「居住地」・「利用しているOS」・「友だちになってからの期間」の5種類ありますが、基本的には最初の3種類(性別・年代・居住地)しか使いません。
「30代の男性」、「青森にお住まいの男性」といった感じで絞り込みます。
<オーディエンス>
オーディエンスは、チャットの顧客管理の項目で説明したタグを使って配信を分けることです。
このタグは様々なものに対して分類することが可能です。
たとえば購入者と未購入者といった商品の購入状況や、YouTubeから友だち追加とかFacebookを通して登録といった登録経路でタグ付けができます。
タグについては自由に作成できるため、あらかじめ先々の配信のことを考えて作成するとよいでしょう。
リッチメニューの項目でもお伝えしたように、LINE公式アカウントは配信数によって値段が変わります。
興味のない人に送ってもお金の無駄なので、しっかりと興味を持ってくれそうな方に絞り込んで配信数を抑えていくことが重要となります。
ii) What(何を?)
何を送るかは、以下のように目的で変わります。
<ファンを増やす>
スタッフやスタイリストの近況や趣味を紹介したり、お役立ちコラムなどのノウハウといった価値提供をしていきます。
<信頼性アップ>
ビフォーアフターの実績を紹介したり、お客様の声を載せたりして、お店に対する信頼を獲得していきます。
<売上アップ>
タイムセールやクーポン、新メニューやオススメ商品の紹介、サービスのお知らせ、友だち紹介キャンペーンなどのキャンペーン情報を配信していきます。
iii) When(いつ?)
いつ配信を行うか、配信のタイミングについての説明です。
<曜日>
全ての業界を平均して統計をとった場合、どの曜日に送っても開封率やクリック率に違いはありません。
<時間>
曜日と異なり、配信時間についてはかなり違いがあります。
●ターゲットにより変更する
ターゲットごとに以下の時間帯が有効ですので、意識してみてください。
・ビジネスマン
通勤時間 7時~9時
ランチタイム 12時~13時
帰宅後~就寝前 18時~23時
・主婦
家事が落ち着いた時間 13時~15時
・学生
いつでも
学校やアルバイト終わり 18時~23時
・シニア
朝の早い時間帯 8時~12時
●配信時間をずらす
配信時間についてちょっとしたテクニックをお伝えします。
LINE公式アカウントで配信する人はドンドン増えているので、ピッタリの時間(12時ちょうどなど)だと他と被ってしまい埋もれてしまう可能性が高いです。
ですから12時2分や15分など、少し時間をずらして送ることをオススメします。
LINEの仕様上、最新の配信がトークの一番上の方に表示されますので、ずらした方が見られやすい傾向にあります。
<配信タイミングの固定>
配信の曜日や時間は固定してください。そうすることにより以下のメリットがあります。
●読者側
読者にとっては「このアカウントはだいたい何曜日の何時頃にメッセージがくるな」と、自分のアカウントを覚えてもらいやすいです。
●運営側
送る側としては毎月毎月、何を送ろうか考えていかないといけないので、面倒くさくてサボってしまったりとか、忘れてしまうことがあります。
ですが、あらかじめ日時を決めておけば、事前にそこまでに準備をする必要が出てくるので、自然と継続できます。
メッセージ配信はしっかりやっていかないと効果が見込めなくなってしまうので、配信の日時は固定して継続を心掛けましょう。
iv) How(どうやって?)
どうやって送るかということで、送ることのできるメッセージのタイプについて紹介します。
こちらは基本的なタイプとしてテキスト、画像、音声、動画やクーポンがあります。
その他に重要度が高いものとしてリッチ系メッセージやカードタイプメッセージがあり、ここではこれらについて説明します。
<リッチ系>

リッチ系にはリッチメッセージとリッチビデオメッセージがありますが、特にリッチメッセージは良く使います。
●リッチメッセージとは
テキスト入りの画像を表示させ、タップすると指定したページに移動させることができるメッセージタイプのことです。
基本的にメッセージ配信に関しては、テキスト+画像と言う形で送ることが多いです。
しかしながらリッチメッセージを使った方が反応が良いので、こちらをうまく活用してください。
●メリット
メリットは、簡単に商品やサービスを伝えられることや、画面いっぱいに表示されるのでタップしやすく、サイトへの誘導率が高くなることです。
また様々な形式での配信が可能で、正方形を2分割してyesかnoをタップしてもらうとか、縦長の形でLP風にすることもできます。
●ポイント
アクションを促す文言を入れる必要があるので、ボタンを用いて「詳細はこちら」といったものを画像の中に入れることが大切です。
<カードタイプ>

カードタイプメッセージに関しては、カルーセル形式で配信する際に活用します。
素人でも見栄えの良いものが作れたり、複数の案内をまとめて配信できるなどのメリットがあるので、積極的に使っていきましょう。
(2) ポイント
メッセージ配信のポイントとして以下の4つを意識します。
① 開封してもらう
まずはメッセージを開封してもらう必要があります。
ここがダメだとそもそも次につながらないので、特に意識すべきポイントになります。
i) タイトルに命を懸ける
開封してもらう為にはタイトルに命を懸けます。
中身が良くてもタイトルを見て開封してもらえなければ意味がないため、これはしっかりと考えて作りましょう。
ii) タイトルの付け方
<相手の興味感心をひく>
読者の興味を惹くために、タイトルには以下の特徴を持たせるようにします。
●有益性
有益性を示して、自分にとって価値のある内容だと思わせる。
・3つの言葉だけで人を操る方法
・なぜ価格を3倍にしても売れるのか?
・月1億売る営業マンのトークテンプレを全公開
●意外性
意外性で「え!?」と思わせて好奇心を刺激する。
・24歳フリーターが年収1億稼いだ秘密
・体脂肪を落としたいなら毎日ビッグマック
・まさか学年ビリの僕が現役で医学部に受かるなんて…
●興味関心
興味関心を持たせるために「〇〇さんはどう思いますか?」といった質問を投げかける。
・抜け毛対策でこんな間違いをしていませんか?
・10年後、AIの奪われる11の職業
・女性が送る脈なしLINE5選
●具体性
固有名詞や数字で具体性を持たせてイメージさせる。
・99%の内科医が断言!絶対子供に飲ませない”ある市販薬”とは?
・100人中99人がもう一度買ってしまう至高のプリン
・大谷翔平に学ぶ3つの目標達成術
●ニュース性
新しさや話題のものを入れてニュース性を持たせる。
・【2022年最新版】LINEマーケティング大全
・【緊急】重大発表
・耳鼻科医が絶賛!最新の花粉症対策とは?
●緊急性
【今日まで】全品50%オフセール、などのように「今見ないと損ですよ!」というような緊急性を持たせる。
●【】を加える
【】を使って強調したい部分を囲む。
<ちょっとズルいパターン>
上記から外れたちょっとズルい方法をお伝えします。ただ、これは何度も使うとブロックされる恐れがあるので注意が必要です。
●「え、何だろう…」と思わせる
ステップ配信などでは途中で離脱する方が結構いらっしゃるので、思わず開封させるために、ドキッとさせるタイトルにします。
たとえば【ブロックしました】といったタイトルを付けると効果的です。
●リア友から来たようなメッセージ
「〇月〇日空いてますか?」や、「不在着信」といったワードを使って興味を惹きます。
●「何か貰える?」と思わせる
「【プレゼント付き】お願いがあります」という感じで、何か貰える?と思わせて開封してもらうようにします。
② 見やすく分かり易く
文章が長く画面に収まらない場合、スクロールして最初から読まなければなりません。
なので繰り返しますが200~300文字が基本です。
どうしても文章が長くなる場合は、別ページへ飛ばすなどの工夫をする必要があります。
③ 反応をもらう
非常に重要なポイントです。なるべく答えやすいような内容で、こまめに反応をもらうようにしてください。
反応をもらうコツとして、クイズ形式があります。
例)
・日本で一番売れた車は何でしょうか?
・シミ、そばかす対策にオススメなのはどっち?
他には質問形式でお客様の悩みを聞きだし、上手く顧客情報の収集をするようにしてください。
④ 配信ルーティンを決める
メッセージ配信はいかに継続して送るかというところが重要です。
ですから運用しやすい仕組みを作るために、配信の時間や曜日、配信の間隔(毎週月曜日の朝7時など)を決めてパターン化するのがオススメです。
参考としては、毎月クーポンやポイントを決まった日に配布するという感じで、配信する内容をテンプレ化します。
そうすることで、配信の管理がしやすく手間なく配信を続けることができるはずです。
まとめ
LINE公式アカウント基本設計編のまとめです。
- 基本情報
LINE公式アカウントは事業課題の解決ツールであり、無料で作成可能です。
開設する際は、同じ業界業種のアカウント情報を収集し、参考にすることで効率よく短期間で成果を挙げられます。
素材はフリー素材を使用して低コストで始めましょう。
- 初期設定
開設するにあたり、最初はビジネスアカウントで作成しましょう。
開設後は審査を受けて認証済みアカウントとなった方が色々とメリットが多いです。
アカウントの削除は気を付けてください。公式ガイドラインはしっかり押さえておく必要があります。
プロフィールはLINE内のホームページ。しっかりとしたものを作りましょう。
- 販促ツール
リッチメニューは画面に常時表示されるため反応率が高いです。
そのためアピール商品や問い合わせ事項などを設定してCV向上や対応工数、配信数の削減に役立ちます。
クーポンは簡単に無料で作成でき、管理の手間がかかりません。
友だち誘導や購入を促すためのプレゼントとして有効です。
ショップカードはクーポンと同様のメリットに加え、特典を付与することで再来店を促すことが可能です。
一度公開したら修正することができないので注意が必要です。
- 顧客対応
手動機能はお客様との個別チャットや顧客管理機能により、自社への信頼や愛着を持たせることでロイヤル化が狙えます。
自動機能を使えばチャットボットによる自動対応を行ってくれるため、お客様対応のための工数削減が大幅に削減できます。
どちらか一方の機能しか使えないため、顧客対応をどうするか考えて決めましょう。
- メッセージ
メッセージ配信は最も重要なものです。読んでもらうことを意識したタイトルを作り、常に読者目線で見やすく分かりやすい文章を心掛けます。
「誰に?」「何を?」「いつ?」「どうやって?」が基本パターン。
こまめに反応をもらい、継続して配信するようにしましょう。
今回お伝えした基本設計編をもとに早速LINE公式アカウントを作成し、ご自身の事業に役立てましょう。